昨年12月のクリスマスイブにアメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は、米国自動車最大手のゼネラルモーターズの金融部門と言える子会社を、銀行持ち株会社とすることを認可しました。7千億ドル、日本円にして64兆円もの公的資金の枠からの資金投入を可能にするための救済策です。2007年末から始まった景気後退から、世界の金融の中心といわれるウォール街でも、銀行や証券会社などでの人減らしが進み、ニューヨーク州では税収減。財政政策研究所によれば、「消費支出の急速な下落が、雇用削減を含めた急速な経済の崩壊を引き起こしている」としています。

2008年にノーベル経済学賞を受賞し、アメリカの経済学者、コラムニストでもあるポール・クルーグマン(1982年から83年までレーガン政権で経済諮問委員を務め、IMF、世銀、EC委員会のエコノミストを務める)は、改訂新版『不況経済の逆襲-2008年の危機』の発刊に寄せてコメントを発表。その中では、「99年発行の旧版では、アジアの金融危機を想定して書いたが、今回の改訂は金融資本主義の本家本元の米国が不況の発信源になっている」とアメリカ経済を診断しています。

2009年も米国の雇用情勢は厳しいものに、100万人を超える人員削減との予測もあるだけに、オバマ次期大統領への期待は、まず経済再建です。(1月3日『しんぶん赤旗』から抜粋)

今日の各紙夕刊で、「米国、300万人の雇用確保」と、オバマ氏が総合経済対策の概要を明らかにしたと報道しています。不況の打開策となるでしょうか。