ビーナスラインと言えば、ライダーにとって北海道や阿蘇と並ぶ「聖地」のような場所ですよね。

ゆきたますも21年の二輪復帰以来、ビーナスラインを再び走りたいと思い、毎年計画を立ててきました。マチサガからなら日帰りが可能なのですけれど、できれば泊まりで満喫したいものです。

しかしながら、日頃の行いが祟るのでしょう、当日になると気まぐれな女神さまは雲隠れ、22年と23年は麓で引き返す羽目になり、哀れチャンスは訪れませんでした (^o^;A 

標高2,000mまで、霧に巻かれに行きたくはないですもんね www



いずこも混み合うGWが明けてから、少し過ぎた頃に、一日お休みを貰って、美ヶ原へツーリングに出かけたいと目論んでいました。


なにしろ最近のビーナスラインはクルマが多くて渋滞が激しいそうなので、それを避けたい一心です。


白樺湖畔で一泊し、翌朝早くにビーナスラインを走れれば、クルマが少ない内に、美ヶ原まで往復できるでしょう。


ちょうど金曜から土曜にかけて、関東から信州が快晴に恵まれる予報となり、急ぎ段取りを整えます。幸い宿の方も無事に予約できました (^_^)b 


圏央道を北へ向かい鶴ヶ島で関越道へ、上里SAで小休止した後、上信越道へ入ります。最初の目的地は世界遺産「富岡製糸場」です。



上州の山は、非常に面白い形をしていますね。まるでゴジラの背びれのようです。


左に硬い地盤があり、右から押されてきた地面がそれに阻まれて盛り上がり、稜線はあたかも波頭が固まったような姿をしています。


手前のキャベツ畑では、まさに収穫が行われています。このような農家の方たちの働きで、我々は美味しい野菜が頂けるのですね (多謝) 



富岡ICで高速を下りてから、Google Mapのナビに従い製糸場へ向かいます。


二輪用の駐車場が分からず、しばらく迷ったものの、どうにかたどり着きました。


道に迷っている途中で、上州名物「おっきりこみ」のお店を見つけました。ケガの功名ですね σ(^_^;) 



お店はまだ準備中、あとでまた伺うことにしましょう。麺類好きなので楽しみです。


製糸場の正門まで、城町通りを少し歩きます。幸い観光客の姿はまだまばらで見学しやすそうです。



GW後ということもあり、場内は整備や修理などが行われていて、やや気ぜわしい感じがありました。


来場者が少ない、この時期でなければできない作業があるのでしょうね。



解説員の方によるガイドツアーがありまして、詳しくお話を聞けるのですけれど、あいにく時間が合いませんでした。屋内の展示室を見学します。



ゆきたますが暮らすマチサガには「絹の道」と呼ばれる昔の街道が北から南へ走っており、かつて富岡から八王子を経由して横浜港へ絹糸を運んだルートの名残りです。



こちらは「操糸工場」で、生糸を生産するこの製糸場の核となる建屋です。ここで蚕繭から生糸が取られていたのですね。


明治の初期から中期にかけては、製鉄、造船、鉄道の敷設、製糸と紡績など、後にこの国の主軸になる工業が発展しました。



維新前に幕府や雄藩が蒸気船を国産するため、反射炉を建設し蒸気機関を作るなどして蓄積した技術が、明治の工業育成の基礎になった訳ですね。



蚕のエサとして養蚕に用いられる桑には様々な種類があり、こちらは現在よく栽培されている「一ノ瀬」という種類だそうです。



この製糸場の建設を主導したフランス人、ブリュナ技師が設計した単気筒の蒸気機関で、操糸機の動力源になりました。



こちらは「旧韮塚製糸場」で、官営だった富岡製糸場を範にとった民間の製糸場です。


このような製糸場はおよそ20ヵ所あったそうで、富岡製糸場で操糸技術を習得した「工女」が、民営の製糸場で技術の伝播に当たった由。



さて、お店は開店したようです。すでに何組かのお客さんが入店していまして、見たところ地元の方たちと観光客が半々ぐらいでしょうか。


最近は、食材などが高騰して、お料理の価格が値上がりしていますね。一方で、こちらは製糸場が世界遺産に指定されて、観光地化が加速して、飲食の相場が上がっているかも知れません。



いわゆる「煮込みうどん」のバリエーションですので、メニューのお値段はそれなりですけれど、それでも地元の人がお昼に来店しているのは、もともとこのくらいなのでしょうかね。


甲州の「ほうとう」などでも同じように感じる点です。あるいは地元の人にとっては、外で食べるものではなく、家で作って食べるから、店舗での価格は「また別」ということかも知れませんね www 



さて、お腹も満たされひと心地つきました。そろそろ次の目的地へ向かうとしましょう。


少し時間が押していますが、移動には余裕を見てありますから、まぁ大丈夫でしょう。安全運転で行きたいと思います (^_^)b 




[カバー写真] 


きしめんをさらに幅広く切ったような麺とたっぷりの野菜を、上州味噌を溶かしたおつゆでよく煮込み、湯気が立ち昇るほど熱々にして配膳してくれました。

麺の形は、地方地域によって様々な太さや細さ、平たさや厚みなど色々あって、それぞれ食感も異なり面白いですね。