大多喜城下を後にして、県道からR297をしばらく南下、道の駅たけゆらの里へ立ち寄りました。いすみ鉄道目当ての観光客が多いからでしょうか、駐車場も回転が早くてよく賑わっています。

もともとはこちらで軽いランチの積もりでしたけれども、朝食が遅めで今はまだ昼前という状況だったので、地元の物産店をひと通り眺めて、先へ進むことにします (豊野鶴酒造さんのお酒が、お店にたくさん並んでいました) 


今回のツーリングは、週中までの天気予報は「土日とも晴れ」で、前日の予報は「土曜は晴れ、日曜は曇りで降水確率30%」に変わっていたのです。「カッパは雨よけの保険」と持参していますが、できれば使いたくありません。

ここまでは晴天に恵まれていましたので、「このまま行けるかな」と安易に考えていましたものの、まぁ日ごろの悪行のせいでしょう、R465から渓谷が続く半島の奥へ入ると急に曇天へ変わり、案の定まもなくパラパラとシールドに雨粒が点々とつき始めます (不安 Max) 

こういう状況の進退判断は難しく、反対車線をすれ違うクルマの「濡れ具合」を観察しつつ慎重に進みます。どうやら各車ワイパーを使った形跡はなさそうで、幸いその先は路面は少し降られていましたが、雨雲は通過しておりカッパの出番はなくて済みました (大安堵) 


濃溝の滝は、亀岩の洞窟と併せて人気のスポットです。

伝承によると、今から350年ほど前と言いますから、元禄時代の少し前に一人の地元住民が川の流れを変えて河床を埋め、稲作ができる田圃の面積を増やそうと岩盤をくり抜いたそうです。

写真では分かりにくいのですが、岩盤が丸くトンネル状に削られています。果たして「これが独力で出来るものか」というのが率直な印象です。当時の人々の米の収穫増にかける執念に圧倒されました。


綺麗な水に恵まれているということなのでしょう。夏の夜にはたくさん蛍が見られるそうで、さぞロマンチックな、あるいは幻想的な光景に違いありません (デリケートな生き物ですから、遊歩道には蛍を守るための注意書きがたくさん有りました) 

今年は10月の終わりに大きく冷え込んだ日がありましたが、その後は気温が上がり樹々も戸惑っているのでしょうね。ここ何年かと同じように、紅葉はゆるやかに進んでいるようです。なかなか「鮮やか」という風には行きませんね (まぁ、人間の勝手な考えですよね) 

そろそろ帰路につく時間になりました、R410を北上し圏央道の入口を目指します。心配した空はうす曇りながら明るい状態で、雨は大丈夫そうです。

一方、そこから高速に上がると雲が切れ西日が視界の左側から差し込んできて、前方が見えにくい状態が続きます。1秒間に30メートル近く進む速度感の中では、なかなかスリリングです。


サングラスに使っているジョンレノン・レプリカの泣き所で、レンズが丸いために視野全体を覆い切れず、陽射しがランダムに目に入り、幻惑が連続する状況になります。F1のモンテカルロのトンネルコーナーの進入や脱出は、きっとこんな感じなのでしょう (レベルが大違いだってば) 

アクアラインに入って海ほたるを過ぎ、地下になって正直ホッとしましたが、この後はベイブリッジから狩場線、保土ヶ谷BPと西日の照射が続き、別路線との合流を「おっかなびっくり」でなんとかやり過ごしました。

これまでは「朝日を背にして西へ向かい、夕日を背にして東へ帰る」ルートだったので、晩秋の日差しとしては当たり前のことながら、あまり経験したことがない状況でした。

ツーリングは、ひとつひとつ経験と学習ですね。よい勉強になりました。「無事にカエル」それがなによりです。


[カバー写真] 
(大多喜城天守から城下を望む)