気になる韓国語文法 【-고】と【-서】は、どうやって使い分ける? | 小さな町から韓国語

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韓国語学習者なら一度は、「うん?」と思ってしまう【-고】【-서】の使い分け。

 

つきつめていくと、使い分けのポイントがあるのです。いろんな例文を見ながら、使い分けのポイントを見ていきましょう。

 

迷いなく【-고】を使う場合

まず、使い分けを考えず素直に【-고】を使うケースについてみていきます。

ただの並列

「AしてBする」という文で、「AとB」が同列に並べているただの並列(「AしてBする」でも「BしてAする」でも意味が全く変わらない)の場合には、【-고】です。

 

빨래를 하고 청소도 했어요.

(洗濯をして掃除もしました)

 

知覚動詞+結果

次に、 「AしてBする」という文が、「AしてBという結果になった」というニュアンスを含む場合も 、【-고】 が好んで使われます。

 

例えば、「映画を見て泣いた」という文は、「映画を見て泣くという結果になった」という意味合いです。

 

このような場合には【-고】が使われます。

 

【보다】(見る)、【듣다】(聞く)、【알다】(知る)といった知覚動詞で、このような使われ方がよくされます。

 

なんとなく【-아/아서】でも良さそうな気もするのですが、ネイティブの韓国語を聞いていると、圧倒的に 【-고】が使われています。

 

영화를 보고 울었어요.

(映画を見て泣きました)

 

이 소식을 듣고 마음이 너무 아팠어요.

(その知らせを聞いて心がとても痛かったです)

 

 사실을 알고 많이 고민했다.

(その知らせを聞き、とても悩みました)

 

迷いなく【-아/어서】を使う場合

次に、 使い分けを考えず素直に【-아/어서】を使うケースです。

理由・原因

「AしてBする」という文が「Aという理由でBだ」というように理由や原因を表す場合には、 【-아/어서】 が使われます。

 

시간이 없어서 못 갔어요.

(時間がなくて行けませんでした)

 

【較べてみよう】

이 과자는 달아서 맛있어요. (理由:このお菓子は、甘くて、だからおいしいです)

이 과자는 달고 맛있어요. (並列:このお菓子は、甘いし、おいしいです)

時間の経過

次は、 「あるい時間が過ぎ去って」というニュアンスで使う場合も、必ず 【-아/어서】が使われます。

 

【時間+넘어서】(~時を過ぎて)、【얼마 안 돼서】(いくらもたたないうちに)、【時代+들어서】(~時代に入って)などは定番表現です。

 

1시가 넘어서 점심을 먹을 수 있었어요.

(1時をすぎて、昼ご飯を食べることができました)

 

얼마 안 돼서 이사했어요.

(いくらもたたないうちに引っ越ししました)

 

2000년대에 들어서 유행했다.

(2000年代に入って、流行した)

 

【-고】と【-서】の使い分けが必要な場合

先行動作・準備動作→「つながり」がポイント

「AしてBする」というような文の場合、 【-아/어서】 と使うのか【-고】を使うのか、少し立ち止まって考える必要があります。

 

使い分けのポイントは 「AしてBする」 の「AとBのつながり」を見ることです。

前と後ろのつながりあり→【-아/어서】

「AしてBする」 という文で、Aの動作がBの動作の準備行動になっている場合には、 【-아/어서】を使います。

 

例えば、次の文の場合、「手紙を書く」ことは、「送る」ことの準備的な動作です。

このように前と後ろのつながりが強い場合には【아/어서】を使います。

 

편지를 써서 보냈어요.

(手紙を書いて、送りました)

前と後ろのつながりなし→【-고】

反対に、次の例文「昼ご飯を食べる」ことは、「遊びに行く」ことと何ら関係性がありません。それぞれ、単独の行動をただ時系列に並べているだけです。

このような場合には、【-고】を使います。

 

점심을 먹고 놀러 갔어요.

(昼ご飯を食べて、遊びに行きました)

 

様態・方法→「他動詞か、自動詞か」がポイント

「座って話す」「持っていく」「乗って行く」「歩いて行く」のように、動作が行われる様態や方法を表す「~して」の場合も、【-아/어서】【-고】の使い分けが必要です。

 

使い分けのポイントは 「AしてBする」 の「A」の動詞が自動詞か、他動詞かです。

 

自動詞とは:目的語が必要のない動詞。例:-이/가 열리다(~が開く)

他動詞とは:目的語を必要とする動詞 例:-을/를 열다(~を開ける)

前の動詞が自動詞→【-아/어서】

例えば、「座って話す」という文を考えてみます。

【앉다】(座る)という動詞は「自動詞」です。ですので、この場合には、【-아/어서】を使います。

 

앉아서 이야기 하자.

(座って話そう)

 

【눕다】(横になる)という動詞も「自動詞」なので、「横になって~」も【-아/어서】で表現します。

 

누워서 델레비전을 봤어요.

(横になってテレビを見ました)

 

【걷다】(歩く)も「自動詞」ですので、「歩いて」は、【걸어서】になります。

 

걸어서 갑시다.

(歩いて行きましょう)

前の動詞が他動詞→【-고】

一方、 「AしてBする」 の「A」の動詞が他動詞の場合には、【-고】を使います。

 

【잡다】(つかむ)という動詞は「他動詞」です。なので【-고】を使い、「手をつないで」と表現します。

 

손을 잡고 걸어요.

(手をつないで歩きます)

 

【들다】(持つ)という動詞も「他動詞」ですので【-고】を使い、「~を持って」と表現します。

 

우산을 들고 다녀야 돼요.

(傘を持って出かけなければなりません)

 

【타다】(乗る)も他動詞です。「乗って行く」は【타고 가다】となります。

 

택시를 타고 갈까요?

(タクシーに乗って行きましょうか)

 

【입다】(着る)、【쓰다】(かぶる、かける等)、【신다】(履く)といった着用動詞はすべて他動詞です。

 

なので「着て行く」「かぶって行く」「履いて行く」という文は、すべて 【-고】 で表現します。

 

마스크를 쓰고 다녀야죠.

(マスクをして行かないと)

 

한복을 입고 갔어요.

(韓服を着て行きました)

 

突き詰めるといろいろと使い分け方があります。

でも、いちいち頭で考えて話しているわけにはいきません。

モデルとなる例文を何度も音読して、口にならす、頭にすりこむのが一番早いのかもしれません。