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行ってまいりました、出光美術館。

久しぶりだー、いつぶりだろうか。なんにせよこの美術館を知ったのは、学生の頃、美術館についてのレポートを毎週のように書かされ、ヒーヒー言ってた時だったと思われ。確か「導線について書け」みたいな課題だった気がする。もはや昔過ぎて記憶が曖昧。

とにもかくにも、こちらかの有名な出光コレクションの素晴らしさはさることながら、館内が良いサイズな上、とってもしぶーい企画展が多く。今回の勝川春章も、私実はあまり存じあげず、どんな作風だったかしら?と前知識無しで伺ったわけです。

ええと、ここからは独断と偏見ばりばりの「私見」ですので、美術に詳しい方「あんた何言ってんの、全然違うし。」と思われても、素人の戯言だと思って、流してください。

でですね。

肉筆美人画の第一人者でいらっしゃる春章さん。もちろん美しいけれど、正直、ぱっと見インパクトはあまり感じられません。でも、よーく見ていたら、小さなところ、例えば着物の模様だったりを、もんのすごく精密に仕上げていることに気づいてしまって。この一箇所に一体何時間かけたんだろうって。

そしてね、何がすごいって、その精密な描写を全くもって誇張することのない潔さ。「俺これだけこだわってるぜ、すげーだろー、いぇーい。」といういやらしさが全然なくて、あまりにあまりに自然。だから下手すりゃ作品の何気ない一部として見逃してしまう。

私ね、とんでもないことを何気なくやってのける人が大好きで。この時なんとなーく思った。勝川春章って、印象派でいうピサロみたいな人だったんじゃないかって。

決して天才肌ではないし地味かもしれないけれど、職人気質のパイオニアと申しましょうか。こういう人たちの優れた画法や構図が同世代にあったからこそ、それに影響を受けた人達の中で、天才が花開くのではないかと思うわけですよ。印象派で言えば、ゴッホとかモネとかその辺りになるのかな。浅ーい知識を掘り起こせば、ピサロの影響を多大に受けた方々だったはずです。

今回の展示に北斎や歌麿もあって、当然見た瞬間にこりゃすげえやと思わざるを得ないパワーがあるのだけれど、それを踏まえてもう一度春章を見ると、勝手に胸をつむる思いがこみ上げ、ひとしきり浸ってみました。まぁ実際彼らに尋ねたら、全然違う答えが返ってくるかもしれないけれど。むしろ美術史的に間違っていたらすみません。

そりゃね、ご本人のこだわりは大いにあったことでしょう。でもそれを見せびらかさないってかっこいいよね。明らかに派手なものより、そう言うのが好き。いいんだか、悪いんだか。この展覧会を観て、ピサロを観に行きたくなった。どこかでやってくれないかなぁ、ピサロの企画展。やってくれー。

なんにせよ、今月末まで出光美術館でやっています。とってもいい企画展です。珍しく早めのお知らせ、よろしければ是非どうぞ。

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一緒に観に行った友人と食べたハラミサラダのランチ。本当はパンケーキのおいしいお店なのだけれど、泣く泣く我慢して、サラダだけにしました。その後昔からある喫茶店でコーヒー飲んで、肉筆画観て、まぁ女子2人とは思えない渋い休日。

この楽しみを分かち合える友人ってほんと貴重。ありがたや。