ちょっと前ですが、観に行って参りました。
お二人とはSTという作品でご一緒させて頂きましたが、私昔から哲司さんの舞台の大ファンでして。あのなんとも言えないあったかい声を劇場で聞くのが、すごくすごく好きで、よく拝見しており。
もはや俳優歴と事務所歴としては大大先輩の志田未来ちゃんが初舞台とのこと。
お二人のファンとして、ひっそりとチケットを買い、完全不審者か誘拐犯か、最早性別さえもよくわからない、職質受けるんじゃないかと言われそうな風貌で劇場に向かいました。
なんとなく、観た後そのまま余韻を味わいたくなる予感がする時って大抵最初からわかるもので。作風からしてそんな気がしていたので、一人静かに観ていたのだけれど、いや、もうズバリ的中もいいところで。
ええと、もうね、ぐったりです。
人ってこうも自分の世界でものを見始めると滑車がかかって止まらなくなるものなのかと、シンプルに言葉をかわすだけで済むはずの、「意思の疎通」がこうも複雑になってしまうと、なんだかジョンもキャロルも救いがなくて、二人ともが本当に悲しく見えてきてしまい。
怒りを爆発させて、根幹の思いを何もかもぶちまけることが全ての解決になるかといったら、それはどうしてもそうだとは思えないし、どうやったら人間って救われるのだろう、なんて壮大なスケールの問いに頭を悩ませながら、頭ぱんっぱんで劇場を後にし。
とぼとぼ渋谷の街を歩くも、全然帰る気になれず、仕方なく一人カフェに入りコーヒーを一杯。クールダウンしてから帰路をたどったのでした。
でも冷静になってみるとお二人の舞台上でのエネルギーたるやもう半端じゃなくて、これが芝居なのだということを忘れてしまうほど作品にずぶずぶとのめりこんでいる自分がいて。むしろ見終えた後ちょっと体感温度上がってたし。
役者さんの力って本当にすごい。こういう時、自分が役者だなんてことすっかり忘れてしまう。
全てを凌駕するお二人に、もう私、感服の思いでございました。
しばらくして、マネージャーのHさんから連絡が来て、行きましたー?と。まずい、ばれてしまった、とドギマギしながら密かに行ったことをお伝えしたら、なんで言ってくれなかったんですか!とのお答え。
ですよね、普通そうですよね。
でもね、こうやって自分の中だけで感じたものをじわじわさせるの嫌いじゃないんです。
だから、たまにこうして一人で静かに観に行くんです。むしろお二人とは共演する前はそうしていたわけで。
もう2週間以上経ったけど、今思い返しても、ぞわんぞわん。
なんにせよ、これからも、ひっそりとお二人の追っかけをしようと思います。
ふふふ。