八王子市の山裾に建てられた八年半前に竣工した学び舎。
特殊めっき鋼板の状況を見に現場へ出かけた。
表面は、奇麗なマット状のライトグレーになって落ち着いている。
東西南北の四つの棟は、回遊性を持たせるために鉄骨造のブリッジでつながれている。
上部構造は、わずかではあるがねじれ変形を伴うため、ブリッジを緊結することを避け
片側の棟の指示部でエキスパンションジョイントをもうけた。
ETERNIT有孔パネルは、四棟のねじれ変形に追従する形状と特殊ファスナー構法である。
建物をぐるっと回り表面の状況を観察、当時採用した最高めっき厚381g/㎡ K27の威力を肌で
感じることが出来た。
ETERNITパネルは、耐候性めっき鋼板メッキ厚380g/㎡ K27仕様を標準としているために
端面からの腐食をマグネシウムによって完全に包み込んでいる。
一般に流通しているめっき鋼板K14 K18仕様では、人間の眼では全く判別できないめっきの
付着量である。
年月が経つにつれて耐候性の差が生じてくるために最高厚めっきの素材を勧めます。
1㎡あたりのメッキ目付量は、下記のように表現される。
K08・・・・・・・120g/㎡
K14・・・・・・・203g/㎡
K18・・・・・・・244g/㎡
K27・・・・・・381g/㎡
日本製鐵 ZAM 鋼板技術資料より抜粋
鉄はさびやすいために何かの表面仕上げを施さなければならない。
表面のめっき層が厚ければ、それなりの耐久性が増すことになる。
ETERNITは、一般では流通していない、特注仕様のK27を標準仕様としている。
一般流通している、
K14の場合と比較するとメッキ付着量は87%も多い。
K18の場合と比較するとメッキ付着量は56%も多い。
耐久性・耐食性の差が10年後にははっきりと出てきます。
建築家の方は、必ずK27というめっき厚仕様を特記事項に明記してください。
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