イブの第九公演
パルテノン多摩という、
近場の会場でした。
実は直前まで夫さんがご機嫌斜めで、
コンサートに行かないって駄々こねてました
薄給のゆきさなさんが買った、
二人分のチケットが無駄になるなんて
イブのディナーも無しなんて
久々に落ち込んだんですが、
なんとか仲直りして楽しく過ごせてよかったです。
顏はお岩さんで、
超絶ブスでしたけどね
（女性の顔面差別が著しい夫さんには、
「ブスすぎる
」っていう理不尽な仕打ちは受けてますヨ
）
」っていう理不尽な仕打ちは受けてますヨ）第九はベートーヴェン最後の交響曲。
既に聴力を失い、
経済的にも困窮していた中で書いた作品です。
しかしそんなこと微塵も感じさせない、
大傑作ですよね
それまでの常識を破り、
交響曲に声楽と合唱を採用。
そして歌詞の原詩は、
シラーという詩人の「歓喜に寄す」という骨太なものです。
本来は「喜びの歌」というほのぼのとしたものなんかではなくて、
圧政からの解放を鼓舞する内容です。
ナポレオンにより革命が現実のものとなったわけですが、
そのナポレオンがまさかの皇帝に即位
大いに失望したシラーは、
詩の内容を大きく書き換えます。
（ナポレオンに捧げた交響曲第三番「英雄」を作曲していたベートーヴェンも、
もちろん大憤慨したわけですよね）
第九の歌詞は、
改訂版の方の「歓喜に寄す」を取り入れたものになっています。
「歓喜に寄せて」おお友よ、このような音ではない！我々はもっと心地よい もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか（ベートーヴェン作詞）歓喜よ、神々の麗しき霊感よ天上の楽園の乙女よ我々は火のように酔いしれて 崇高な汝（歓喜）の聖所に入る汝が魔力は再び結び合わせる時流が強く切り離したものをすべての人々は兄弟となる（シラーの原詩: 時流の刀が切り離したものを 貧しき者らは王侯の兄弟となる）汝の柔らかな翼が留まる所で ひとりの友の友となるという 大きな成功を勝ち取った者心優しき妻を得た者は 彼の歓声に声を合わせよそうだ、地上にただ一人だけでも 心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよそしてそれがどうしてもできなかった者は この輪から泣く泣く立ち去るがよいすべての被造物は 創造主の乳房から歓喜を飲み、 すべての善人とすべての悪人は 創造主の薔薇の踏み跡をたどる。口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を 創造主は我々に与えた快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ智天使ケルビムは神の御前に立つ神の計画により 太陽が喜ばしく天空を駆け巡るように 兄弟たちよ、自らの道を進め英雄のように喜ばしく勝利を目指せ 抱き合おう、諸人（もろびと）よ！この口づけを全世界に！兄弟よ、この星空の上に 父なる神が住んでおられるに違いない諸人よ、ひざまついたか 世界よ、創造主を予感するか 星空の彼方に神を求めよ星々の上に、神は必ず住みたもう
引用元：音楽の森
http://pacem.web.fc2.com/lyrics/beethoven/freude.htm
現代日本に生きる私たちの暮らしは、
平和で安全で、幸せに溢れて・・・
とは言いきれない面は多々あります。
年末になると人身事故も多く、
乱れたダイヤにイライラしつつも、
どこか世知辛い現実に身につまされる思いになるのも事実です。
それでも多くの人の苦しみは、
身近な家庭問題や経済問題や健康問題。
彼氏ができないこと、
ダイエットがうまくいかないこと・・・などなど。
些細なことなどどと言うつもりはありませんし、
それだって絶望に値する大変な苦悩です。
それでもベートーヴェンやシラーが創作するにあたって抱いていたような「思い」は、
到底今の私たちには想像がつかないようなものだったのではないでしょうか。
幸せな毎日を送ることができるようになった私にも、
時に試練や悲しみがあるように、
今このブログを読んでくださっているお一人毎に、
悩みや痛みがあることでしょう。
悲しみに押しつぶされそうなほどに、
切羽詰まった方だっているかもしれません。
でも皆様きっと食べるものも、
とりあえずは寝床もあるんではないでしょうか。
聴力を失ったベートーヴェンが傑作を創り上げてしまったことからわかるように、
人間は底知れぬパワーを秘めているのです。
あなたにも奇跡が起こるかもしれないのですよ。
