何かとテレビでこれを用意しておけと専門家って人があれやこれやと説明しておられるけれど・・・。

阪神大震災のときに私が必要だと思ったものを書いておこうと思います。

 

いるものは2パターンに分かれると思います。

 

1つは直撃状態の地域にお住まいの人へ。

 

もう1つは直撃からは少しずれるけれど、家の中に入ることができる程度の人へ。

 

 

何もかも崩れて燃えてしまったら、用意しておいたものはもう炭になってしまって役にたちません!

用意してお金を使わずに現金をお腹に巻いておく方がずっと価値があることになります。

津波も火の回りもあっという間の出来事。

重い持ち出し袋なんて地震直後になんて担げませんよ!

もうゆっさゆっさ揺れまくって、収まってもフラフラしながら腰をかがめて歩くとか、四つん這いでなんとか玄関を開けるのが精いっぱいだったもの。

そして開けたら、お向かいさんも開けてて、大丈夫ですか?ってお互い声をかけてました。

 

とにかく、いったん外へ飛び出せるのなら、貴重品というかいつも持ってるショルダーバッグ程度に現金と身分証明書、小さいタオルとかパスワードとか記録してる手帳、お薬とか持って(日頃から持ってるといいですね)身軽に家の前で被害にあわないところで様子見した方がいいです。

 

揺れがいったんおさまって、火が出てない、家がまだ崩れないのが確認できたら、それから持ち出し袋やカセットコンロや食べ物などを持ち出す。

車が無事なお家だったら車に必要なものを積み込んでもいいですね。盗まれないようにしなきゃですけど。

 

私は家は何とか大丈夫だった人でしたが、当時、知ってる人や周りの人に良く言われたのが、「武庫川を渡るなよ」って注意されました。

それだけ西宮側は被害が深刻だったから。

川1つ向こうなだけなんだけれど、土地の強さってけっこう重要でした。

 

 

昔々に沼だったという住宅地は、どんなにきれいなお家も地面からもうバキバキに割れて浮いている状況でした。

長年住宅地や駐車場とか固い地盤は被害は少なくて、掘っ立て小屋でも残っていました。

 

当時は2×4の軽いアパートが結構残っていた。という現実があって、あまり家の中は重いものをいっぱい置かないように。

重い家具を置かないようにするのが教訓になりました。

すごい揺れがあるとそういうのが自分の方に走ってきますからね。

 

あと私が実体験でよかったと思うのは、牛乳パックをまだハサミをいれずにためこんでいたのを床にばらまいていたんですが、それがすごくよかった。

コマ付きのワゴンが牛乳パックがクッションになり、防壁になり、ゆっさゆっさとすごい勢いで走ってこなかったのと、ワゴンに油の入った鍋を乗せていたんですが、ぜんぜん中身が落ちませんでした。

ゆっさゆっさと細かく動いていただけ。

逆に、コンロにお味噌汁がちょっとだけ残っていた鍋なんか吹っ飛んでいました。

掃除するのがえーんえーんえーん水も出ないのに。ですよ!

 

 

だから、最近は麦茶を朝に沸かしたら、床に足元マット。その上にやかんや鍋を置いて出かけています。

すべりを摩擦でふっとばないようにするのも、被害は少ないです。

とにかく、直撃で屋根が落ちてくる状況になる家の人は机の下に入りながらホイッスルの入ったショルダーだのウエストポーチだのだけ持って出口付近に移動しましょう。

誰かに引っ張り出してもらえる確率を上げます。

勇気をもって火がついているものを消す。ここをなんとかするように心がけて、四つん這いでも、転がりながらでもいいので、助かるシミュレーションを考えておきましょう。

 

こんなこというのもなんだけどね、家具を押さえる突っ張り棒はね、ほとんど気休めだと思う。

ほんとの直下型一撃がきたらほとんどは吹っ飛ぶと思います。

時間稼ぎできる地域の人だったら、有効なのであればいいんですけど、地鳴りとかひびなんかは運っていうのもあるので、揺れる方向で食器棚全滅だったり、引き出しが全部どか~~~~と出てしまうなんてこともあります。

こればっかりはきてみないとわからないです。

ただ、1つ防ぐ方法があります。

ずぼらな主婦ならではなんですが、すぐ引き出せる引き出し前あたりに、衣類などが入った段ボールとかパックご飯が入った段ボールとか置いておくんです。

段ボールって床と摩擦があるとすぐには飛んではきませんし、中が布だとふわふわ引き出しへのクッションになります。

衣装ケースでもいいんですが、プラスチック製はすべるのでダメです。

収納袋っぽいものならいいですが、当たっても痛くないのがいいです。

 

家族で住んでいる人なら、ラーメンとかカレーとかお母さんがけっこう買いだめしていたりするじゃないですか。

だからうちは最新のカセットコンロと鉄板とやかんだけ用意しました。

家がつぶれても、駐車場でお湯沸かしてカップラーメン食べてもいいかな~って感じです。

避難所はもちろん出向きますが、あまりにいっぱいだと住めないし、うちには障がい者の娘がいるので、人の声がいっぱいするところは無理です。

たぶん車中泊になると思います。

だから、自分で調理する方法を考えます。

 

ストックを食べつくす頃には支援物資が避難所に届くはずなので、そこで手にいれてもいいだろうし、関西っていいな~と思うのが、痛い目にあった人の中にはふだんより心意気レベルがめっちゃ上がる人が多く居るんですよ。

ふだんはゴロゴロしてるおっちゃんが木を切ったり、段ボールを開けたりつぶしたり、がんばるし、あめちゃんくれるおばちゃんたちは炊き出しの手伝いをしたり、水が足りていない人に声をかけてまわったりするんです。

阪神大震災のときは、私も自分の自転車でぐるぐるあちこちをまわって「これは井戸水ですか?水道水ですか?」が口癖みたいになってました。

 

農家の人がポンプでくみ上げてくださった水は、洗い物や洗濯を外でさせてもらうのに最適でした。

水道水の方が冷たすぎて手の感覚がなくなってしまいますもんね。

そして、しばらくしたら、神戸の方から歩いて移動してきた人たちが寝られる場所を求めてやってきていましたが、持ってるものを持ち寄ってあげたり、相談口や病院など案内したりしました。

たぶん、神戸付近の人で知ってる人はどこが生き残りやすいところかはもうご存知だと思います。

 

西か北。これが避難していった友達からの情報でした。

当時はスマホなんて今みたいに発達していなかったし、インターネットの速度も遅かったから情報には疎かったですね。

それでも、お店の人は仕入れができるところは開店していてくれたので、うれしかったです。

 

 

今、気になっているのは娘を施設に迎いにいった帰り道はどうしようかと。

川に近いところは避けたいし、鉄道を超えるのに、遮断機がしまったままになっていなければ、注意をしながら渡っていって高台へと向かうんですが、しまっていたら高架の上を走る?下を走る?

崩れる心配からしたら、小さな橋だったら上の方がいいかとも思うのですが、ささっと素通りできるなら下か?とか迷うところです。

もうそこまで追い詰められた時点で、時の運しかないんだろうけどね。おねがいおねがいおねがい

今日は、うちの車を置いてある駐車場にはすずめがいっぱいいるから、たぶん大丈夫じゃないかな。

震災のときってすずめはいませんでしたから。

 

予知できる動物ってすごいなぁ。

というわけで、自分の家が確実に建っていられるのか?火が出てもおかしくない町なのか?

パターンを考えてみてくださいね。

何でも用意してお金を無駄にしないようにしましょう。

自分の足が元気で、歩いて移動さえできれば、被害が少なかったところに移動できるわけですし、移動して体を休めてからもどって作業してもいいんですからね。

キャッシュレスで暮らしている人だったら、あんまり家にはお金は置きませんよね。

 

車移動できる人だったら3~4つ市を移動してコンビニ入ると電気がきているところもあると思うので、そこで出金できますね。

電気やさんの集まり具合にも寄るけれど、関西ではけっこう電柱を復旧するのは速かったと思います。

台風のときに感動しました。

関西電力のXに「多くの人が関西電力のみなさ~んがんばってぇ~」って書いていたら「きんでんもがんばってますよ~」ってきんでんの職員さんがレスしながら作業していて、台風の音は怖いけど笑えちゃいました。

 

平常時じゃないときって、何がきっかけで元気が出るかわかりませんよね。

ぜんぜん知らないおばあちゃんに伊丹駅の歴史をきいたこともあったし、相手の名前も知らないのに、いろいろ話をきいて動いている自分も不思議だった。

生きて誰かのお世話ができることって、幸せなことなんです。