早起きは三文の得。 | 明け行く空に…。  ~ひねもすひとり?~

早起きは三文の得。

珍しくすっきりと目覚めた本日の朝。
今日のオレは目覚し時計がトチ狂った様にシャウトし出すその前に、ヤツの息の根を止めてやった。
まぁスイッチ切っただけなんだけどさ。
寝起きの悪さには定評があるオレにとってこれはありえないことなのだ。

身支度を整えてコーヒーなんぞ飲みながら朝刊をチェック。これも早起き故に成せる業。
ほうほう!今日のゴールデンタイムはなかなか充実したラインナップですなぁ・・・。
所詮はテレビ欄しか見ないオレ。
あ!あと4コママンガも見るよ。アレ意外と面白いよね!?



普段であれば朝から時間との戦いを余儀なくされ、狂ったようなドライビンの中でのコーヒータイム(勿論缶物)。
なのに今朝のオレったら、生意気にもお気に入りのコーヒーをドリップして優雅に香りを楽しむ。
あぁ、この時間が一日の活力をオレに与えてくれるんだナァとつくづく思った。早起きとはいいもんだ。
いや、別に特段早く起きたワケではない。
予定通り起きただけなのだ。
とにかく、今日は穏やかな朝のひと時を過ごした。



さて、コーヒーも飲んだことだしそろそろ出かけようか。
それでもまだ時間に余裕がある。いつものように頭のネジ数本外さなきゃ実現不可能なイカレタ運転せずとも今日は十分に電車に間に合うだろう。
もう忘れかけていた安全運転という言葉を思い出し、流れ行く景色を楽しみながら車を走らせることにしようと思う。



いつもとは微妙に違ったルートを選択して駅まで向かう。ちょっとだけ遠回りの一面田んぼばかりの殺風景な道なんだけれど、普段通っている信号の無い市街の裏道では見ることが出来ない、東の山から昇る朝日をこの道ならば眺めることが出来る。

バックミラーに映る朝日が眩しい。そして心まで染み入るようなその光はオレに力をくれるようだった。そんな錯覚もきっと早起きの副産物に違いない。



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いいもんだなぁ早起きって。昨日までの堕落した自分に深く反省し、オレは明日から規則正しい生活を送らねばと強く心に誓った。




時間にして10分ほど車を走らせただろうか、まもなくいつもの市街地から続く道との合流地点である橋に差し掛かろうとしていると、なにやら前方に数台の車が停車しているのが見えてきた。
なんだろ?なんでこんなところに車が止まっているんだと不思議に思いつつも、その近くまで車を走らせた。
両サイドが田んぼの狭いこの道、停車していた車が数回に分けてハンドルを切りなおし次々にUターンしてコッチに向かってくる。



なんじゃこりゃ!?



オレの目の前に広がった光景はまさに悪夢のようだった。
荷物を満載した大型トラック、その荷台から転げ落ちた多数の巨大な材木が道路を封鎖してしまっているのだ。
回避し先に進むには余りにも狭すぎるこの農道、オレは他の車と同様に数回に分けてハンドルを切りUターンした。
バックミラーに写ってるのはもはやさわやかな朝日などではない。今ごろ既に通過してたであろう橋が悲しそうに鏡の中にたたずんでいた。



余裕があったはずの時間、もはやそんなものは皆無に等しい。
なぜならば、今来た道をまた10分ほど走って振り出しに戻らなければならないからだ。



結局今日も頭からぽろっぽろっとこぼれ落ちるネジ。
安全運転?んなモン知るかっ!て具合で、オレは今日も床が抜けるほどにアクセルを踏み込んだのでした。



早起きは三文の得・・・なんてよく言ったものですが、所詮は現存しない通貨単位。
そんな使えない通貨など要らないから、トラブルがあっても通過できる広い道路を作っていただきたいと切に願うと同時に、二度と早起きなんてするもんかっ!と心に誓うのでした。




以上。