NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」放映で、一夜にして有名人になってしまった鎌倉投信の運用責任者 新井和宏さん。
吉野真由美さんが主催するお江戸百年塾でお話しされると聞き、参加しました。
http://mayumioffice.jimdo.com/お江戸百年塾-1/2015-5-新井和宏-投資は-きれいごと-で成功する/
放映前に、お江戸百年塾に登壇すると言う情報を聞き、すぐに申し込んで正解でした。
会場の増上寺光摂殿はほぼ満席。
新井さんがお江戸百年塾でお話するのは2度目で、初回は参加した方から賞賛の声があがっていました。
こちらは、「金融のプロフェッショナルとは?」と聞かれた時の、新井さんの答え。
誰よりも強く想い
日々の小さな努力を
積み重ねられる人
前回は新井さんのライフヒストリーでしたが、今回はNHKでの放映と、ダイヤモンド社からの出版に関するお話が中心でした。
ダイヤモンド社からの出版は6月の予定だったが、NHKでの放映が決まったと言ったところ、急遽放映前に出版することになり、執筆に追われた。題名は出版社で決めた。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」の反響は大きかった。
NHKでは一切社名を言わなかったにも関わらず、翌日から電話が鳴りっぱなし。
資料請求は1万件で、鎌倉投信の社員だけでは対応出来ず、地元の精神障がい者の方々に封入作業を委託している。
NHKに電話をして、鎌倉投信や、番組に登場した会社の社名を確認して下さった方も多かった。これはとてもありがたいこと。
プロフェッショナルで金融機関を取り上げたのは、鎌倉投信が初めて。
プロデューサーの方から、3年前から注目していたと言われた。
1月中旬から2月は密着取材、3月に撮り直しや撮り残しの撮影、4月に編集、5月に放映と言う流れ。
以前別の番組の取材で、あれをして下さいとかの指示をされたことがあったが、NHKは何の注文もなく、自由にさせてくれた。
放映時間の約60倍を撮影するので、放映されなかった部分の方が圧倒的に多い。
鎌倉投信の「結い2101」は長期的な運用で年平均約4%のリターンであるが、目指すところは社会の形成と心の形成の掛け算。
お金はいくら貯めても幸せにはなれない。
投資はまごころであり、金融はまごころの循環である。
ライフネット生命の出口会長との対談が、ダイヤモンドオンラインに連載中である。
鎌倉投信の「非常識な投資のルール」について、出口さんからは「数字、ファクト、ロジックに基づいている」と評価戴いた。
本を書くときに最も配慮したのは、誰が読んでも分かりやすい表現にすること。
難しいことを分かり易く説明し、不可能なことは不可能だとはっきり伝えるのが真のプロ。
将来の市場の動きについては、プロでも予測ができないのだから、うやむやにせず、はっきり予測ができないと言うべき。
プロフェッショナルに出演してよかったのは、坂本光司先生に恩返しができたこと。
先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」は第4巻まで発行されているが、第1巻がプロフェッショナル放映後にAmazonのランキングが4位になった。
伊那食品工業株式会社の塚越会長から、番組を見たよとのお手紙を戴いた。塚越会長はファンド嫌いで、訪問の際に大久保寛司さんが同行してやっと会うことが出来た方。嬉しかった。
本で伝えたかったことの一つは、会社は個性だという事。
大企業はこぞって個性を消している。そのよい例がCSRの部門を作ること。何かあるとすぐに自分は専門外とか言ってCSR部門に回そうとする。つまり、CSRに関心がない。
CSRはそもそも、会社に内在し、社員全員が共通認識するもの。
会社訪問してIR担当者が決算短信を出してきても、それは前以て確認済みだから見ない。
「あなたはこの会社をどうしたいのですが?」と問う。
こいつ、喧嘩売りに来たのか? と言う反応がある反面、やっとまともなヤツが来たという反応もある。
先日訪問した会社のIR担当の女性は、「当社にはこんな問題があります」と切り出し、「それでも投資して戴けますか?」と尋ねた。
「あなたはこの会社のどこが好きですか?」と言う問いかけに、固まるIR担当者を何人も見た。
会社はひとがつくる。その会社を好きか嫌いかは、どんなひとが働いているかによる。
誰から買いたいか?
リッツカールトンの高野登さんは、経営者に、会社に個性を持たせる努力をして下さいと言っている。
金融の特徴は、客観性と冷静。
鎌倉投信はあえて主観性と情熱を選んだ。
私は投資先を主観で選んでいる。
金融機関は第三者機関に評価させることで、責任逃れをしている。
たとえば、SRI。東電は原発事故前、高い評価を得ていた。
東電に投資していた金融機関は、SRIで高評価だったからと言う。
投資先とは苦楽を共にする覚悟がある。
他の運用会社にこれはない。
「楽」だけ取ったら、フリーライドだ。
機関投資家はいいとこ取りの典型例。
投資とは、投じて資する。相手に資するから投資なのである。
経済でなく、経営に投資する。
森でなく木を見る。森は同じ木でできていない。個性のある木の集まり。
いい会社は外れ値でなかなか投資対象にならない。
ダイバーシティ経営が、今後日本が唯一成長できるキーワード。
これからも個性を伸ばすサポートをして行きたい。
新井さん、2時間たっぷり熱く語って戴きました。
ありがとうございました。
そちらも立食パーティーになるほど多くの方が参加。
新井さんは自宅が遠いのにもかかわらず、最後までいらっしゃいました。
私のためにサプライズバースデーケーキをご用意戴き、ありがとうございました。
友達の梅ちゃんにも最後までお付き合い戴き、心に残る誕生日になりました。