1/19(月) 紀伊國屋サザンシアターで、さわかみ投信の澤上会長、ライフネット生命の出口会長による対談があったので、聞きに行きました。
テーマは「投資も人生も長期で考えよう」

{14352578-9B66-4038-B84A-1C4B143C08CF:01}

出口さんの本は読んだことがありましたが、お二人のお話を聞くのは初めてでした。

内容盛りだくさんのセミナーでした。
メモ魔と化して頑張りましたが、全部書き記すのは無理でしたね。

{5395EE72-1720-402C-B5B4-BA8C0F924682:01}

出口:ライフネット生命を立ち上げる前に、澤上さんに相談した。そうしたら、1年に300回辻説法しなさいと言われた。
日本生命にいた時は本もブログも書かなかったが、今はツイッターもやっている。これは澤上さんの教えの賜物。
ところで、お題である「日本経済はこれからどうなる」に対する、澤上さんのご意見は?

澤上:国や政府に期待するのは止めよう。
経済とは、一人一人の行動が集まったもの。将来にむけて何をしたいのかが、重要。

出口:財界は、政治家が成長戦略を描かないからと言う。政治家は2世3世ばかり、お役人は優秀だが経験の少ないひとばかり。彼らに頼もうなんて考える時点で終わっている。
私はこれからの日本は明るいと思っている。
改革は何も進んでいない。言葉を変えれば、成長ののりしろがあると言うこと。
日本の海洋面積は世界6位。
何しろ今やっていないことをみんなでやれば、日本の未来は明るい。

出口:行動するのは若いひとというのは思い込み。中高年の方が動きやすい。
人生80年。リスクはわからないから怖いので、40~50歳になれば分かってくる。子どもの手も離れてくるタイミング。
若者だけに頑張れと言うのは片手落ち。中高年から行動しよう!

澤上:出口さんの本は、50歳以降が圧巻。ベンチャーは若者だけのものではないよ。
私は今68歳、44年間この業界での経験がある。
きちんと行動するひとと、しないひとは差がつくもの。大事なのは行動すること。

出口:18万年くらい前のホモサピエンスの骨が出土したが、そのひとは高齢で歯が1本もなかった。歯がなくなっても2~3年は生きていたふしがある。誰が歯のない彼にすりつぶした食事を与えていたようだ。つまり、文明が始まる前から、経験が大切であることを人類は知っていて、経験ある高齢者を尊重していたのだ。

澤上:出口さんの本に書かれている1/3でも実行出来たらすごいよ。
私は若い時分は17時間働き、3時間しか寝なかった。周りにすごいひとがごろごろいた。すごい運用しながら、趣味がF1だとか。それで家族は大切にする。そういうひとは追い越せないが、近づきたい。

出口:本に嘘は書いていない。好きなことを何でもやればよい。価値観の押し付けはよくない。家族にも言えないことを部下に言ってはいけない。

澤上:今まで景気は右肩上がりだったが、そんなこともうない。大企業だってつぶれる。
グーグルが19年であれだけ伸びたのは、ピンポイントで良い会社を買収したから。
M&Aの8割は失敗し、M&Aあっせん会社が儲かってるだけ。

出口:20世紀後半、冷戦があった頃は、米国は日本が脛をかじっても怒らなかった。日本の存在が貴重だったから。
山へ登るのも、道が分かっているから、黙って登ればいい。何も考えず、同じように働いていればよい。ひとと違うことをやってはダメな時代だった。バブルまでは7%成長、つまり10年で金融資産が倍になる。
今は何もない。冷戦なし、高度成長なし、人口増なし。同じことをやってればゼロ成長。
でも頑張れば、1人1人の行動次第で変わる。

澤上:昔は日本だけが幸せな状態だった。それが当たり前だったけれど、それは忘れましょう。
ほとんどのひとが、国が何とかしてくれるとか、時間が経てば何とかなるとか考えているのは危険。
預金残高は809兆円ある。そのお金にも働いてもらわないと。

出口:中国四千年の歴史の中で、平和ないい時代は4回だけ。残りは激動の時代。
戦後の日本は、宝クジが5回連続当たったようなもの。行動しても簡単によくなるとは思わないが、歴史上に名を残したひとは、ダメもとでやっている。もっと気軽にチャレンジすればよい。うまくいかなければやめればいいのだから。

澤上:サラリーマンやるか、それがつまらなければ好きなことをやる。食えればいいのだから。
世界のCEOはおしなべて質素。ぜいたくな買い物を楽しむより、開発に時間を費やす方が彼らにとっては面白いこと。

出口:面白いことをやっていると死なない。平均寿命には意味はなく、健康寿命が大事。面白おかしく働いていると健康寿命も長くなる。

ここからQ&Aタイムとなりました。
たくさん質問がありましたが、回答が面白かったものだけを取り上げます。

Q&A:仕事につくきっかけは?

澤上:少子高齢化社会になり、年金に不安を感じるひとが増えてきた。自分の経験を生かし、できるだけ多くのひとを豊かにしたいと思ったこと、日本の投資信託にはひどいものばかりであることから、さわかみ投信を立ち上げた。

出口:58歳の時に、会社を作りませんかと誘われたこと。これは宝クジに当たったようなもの。
若いひとは所得が少ない。若いひとに安心して赤ちゃんを産んで育ててもらえるように、保険料を半分にしたかった。
人間は今のポジションで出来ることしか出来ない。私にとってはそれは保険だった。
今66歳だが、日本生命にいたときより長時間働いている。
ちなみに、日生に入ったのは偶然だった。

Q&A:お互いの本について

澤上:出口さんの本は面白いが、あれを全て実践するのは無理。面白いと思ったら、1/3でも実践してください。

出口:澤上さんの本は、未来を読むヒントを与えてくれる。儲かる銘柄の見分け方の7つのポイントも。
一箇所だけ意見が合わないところがある。澤上さんは、独身者には保険は不要と書いていて、確かに生命保険は不要とは思うが。

澤上:保険は、ライフネット生命だけ入ってます。

対談終了後に、サイン会がありました。
早めに着いたので、整理券番号は5。お二人からサインを戴きました。
これから読みます。

{CBCD4055-6D08-4465-9093-33E563FE8195:01}

ちなみに、お二人の推薦図書は、
出口さん:歴史 ヘロドトス 岩波文庫
澤上さん:決断の条件 会田雄次 新潮新書
まずはお二人の著書を読み、そのあと読みたいと思っておりますが、積ん読にならないといいですね。