【映画】そらのレストラン【感想】 | 今日も心に雪が積もる。~作家志望うつ医師道産子藩士の読書日記~

今日も心に雪が積もる。~作家志望うつ医師道産子藩士の読書日記~

北海道旭川育ち、札幌暮らし、医師になって、うつになった、作家になりたいどうでしょう藩士の日記。

映画「そらのレストラン」を見てきました!

 

 

 

洞爺湖町月浦が舞台でパンがテーマである2012年公開の映画「しあわせのパン」、空知地方が舞台でワインがテーマである2014年公開の映画「ぶどうのなみだ」に続く、オフィスキューが企画する北海道映画第3弾。

 

3つの映画の企画を担当したのはオフィスキュー社長である伊藤亜由美さん。

 

監督は「白夜行」、「神様のカルテ」などの深川栄洋さん。

大泉洋さんとは「トワイライトささらさや」で関わっていますね。

 

今回は道南せたな町が舞台でテーマは「チーズ」。それぞれ3つの映画とも「熟成する食べ物」がテーマになっています。

 

せたな町に実在する自然派農民ユニット「やまの会」をモデルにした作品。

主人公はチーズ職人で、米農家、野菜農家、酪農家、漁師など様々な仲間がいます。

 

主演は大泉洋さん。

妻の役は本庄まなみさん。

仲間の方々は高橋努さん、マキタスポーツさん、石崎ひゅーいさんなど個性的な面々。

鈴井貴之監督映画「銀のエンゼル」で主演をつとめた北海道出身の俳優小日向文世さんもキーパーソンとして出演。

「探偵はBARにいる」シリーズに出演している安藤玉恵や、鈴井貴之監督の北海道ドラマ「不便な便利屋」で主演をつとめた岡田将生さんも出ているのがファンとしては嬉しい。そして鈴井貴之さんも、企画担当伊藤亜由美さん(元妻)の頼みで友情出演しています。

 

 

 

 

 

 

まず「絵」がとてもきれいでした。

雪景色も牧場も畑も海も空も山も、あるいはご飯も。

どの瞬間を切り出しても1枚の作品になりそうな美しさでした。

「しあわせのパン」の時から続く「絵本」のような雰囲気がありました。

 

 

 

ストーリーも、言い方は悪いかもしれませんが、絵本のようにわかりやすい(笑)

大泉さんがバラエティ番組などに出て宣伝しているのを事前に何度も見て何度もあらすじを聞いていたので……ほとんど大筋は知った状態で、なんとなく結末も予想できていました(笑)

ですが、これは、それでも楽しめる映画です!!

海の見える牧場のチーズ職人や自然派農業という興味深い設定と、温かな物語の描写と、美しい絵によって、唯一無二の映画に仕上がっています。

例えるならディズニーの映画のように、それこそ絵本のように、結末が予想できていても、結末を知っていても何度でも見たくなる、何度見ても楽しめる映画だと思います!

 

 

 

 

まみちゃんこと佐藤麻美さんは「おにぎりあたためますか」の番組内で、この映画を見て「5回泣いた」と言っていましたが……

 

僕も何度も泣きました(笑)

 

まず開始5分で泣きました(笑)

牧場で牛に囲まれてお話しをする父と娘を、丘の上から母が呼ぶ。

その幸せな風景に涙が出てきました。

 

主人公以外の、妻にも、仲間たちにも、その妻にも、師匠にも、その妻にも、それぞれのストーリーがあるのが伝わってきて、それがまた心に沁みました。

 

 

 

この映画のテーマは「チーズ」や「農業」など。

 

映画のPRでは「仲間」がテーマだとも言っていました。

 

仲間。

たしかにそうですが、もっと広い見方もあると思いました。

家族、友人、その家族、その他にも、仕事を届けたい町の人たち……どんな時でも無邪気なこどもがいて、次の世代へ何かを伝える老人もいて……もっと広い「町」などのコミュニティの魅力を感じました。

 

あるいは、愛情を持って育てたそのあとに食肉としていただく生命。

話が大きくなりすぎかもしれませんが、ずっと昔から、いつまでも、巡り巡っていくこの世界の美しさを感じました。

 

自分の人生をもう少しだけ好きになって、隣にいる人のことがなんだか愛おしく感じて、擦れ違う名前も知らない人たちにいつもよりちょっとだけ優しくできそうな気分になる、そんな映画でした。

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

幸野つみ