【映画】こんな夜更けにバナナかよ【感想】 | 今日も心に雪が積もる。~作家志望うつ医師道産子藩士の読書日記~

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北海道旭川育ち、札幌暮らし、医師になって、うつになった、作家になりたいどうでしょう藩士の日記。

映画館で大泉洋さん主演の「こんな夜更けにバナナかよ」を見てきました!

 

 

 

こんな夜更けにバナナかよ

2018年12月28日公開

キャスト:大泉洋、高畑充希、三浦春馬、etc.

監督:前田哲(主な作品:パコダテ人、猿ロック、etc.)

主題歌:ポルノグラフィティ「フラワー」

原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」

 

筋ジストロフィーにより体が不自由でも病院や施設ではなく家で自立生活を送った実在の障害者・鹿野靖明さんとボランティアの物語。

 

 

 

笑って、泣いて、感動して、さわやかな気持ちになって。

考えさせられました。

 

 

 

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2つの映画体験

昨年、安田顕さん主演の映画「愛しのアイリーン」を、現在取り壊しが決まっている映画館で見たときは、「小屋」という言葉が似合いそうな、100人も入らないんじゃないかという席数の部屋で、まるで教室にスクリーンを用意して見ているような、そんな雰囲気で、それはそれでとても素敵な映画体験でしたが、

 

今回の大泉洋さん主演の映画「こんな夜更けにバナナかよ」は、数百人入るだろうという大きなところで、車いすの人も、耳が聞こえない方も一緒になって、時にはみんなおかしくて吹き出してしまったり、時にはみんなで鼻をすすったりしながら同じ映画を見るというのは、これはこれでとても素敵な映画体験だなぁと感じました。

 

 

 

 

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原作と映画と

僕は昨年原作を読みました。

誤解を恐れず簡潔に書くと、原作と映画は違います。

 

しかし、結論をいえば、原作の持つ力強いメッセージを、原作同等のエネルギーで世間に伝える映画だったと思います。

 

 

 

この原作は映画化不可能とも言われていたとか。

 

理由の1つは、扱うのが難しいテーマであること。

 

理由の1つは、今も実際に生きている人が登場すること。

 

そして一番の理由が、原作の複雑さだと思います。

原作は、厚めの本です。

起承転結が整った「小説」ではありません。

数十名の人物が出てきて、スポットを当てる人物が次々入れ替わり、時系列が前後して、時に時代背景の解説が続き……

決して皮肉ではなく、この複雑さがこの本の魅力の一つだったんだと思います。

筆者がメッセージを伝えるうえで必要だった複雑さなんだと思います。

 

 

 

それを映画化するとなると……

 

当事者にも、原作ファンにも、障害者、医療・介護従事者にも納得してもらう内容にしながら……

 

映画としてわかりやすく2時間にまとめ成立させる……

 

この映画はその難題を見事クリアし、更にさわやかな青春映画としても素晴らしいものになっています!!

 

 

 

 

原作ももちろん素晴らしいもので多くの方に読まれた本ですが、分厚くマジメそうなテーマの本を読む人は限られていたかもしれません。

それを映画にすることで、より多くの方にメッセージが届くようになったのではないかと思います。

そういった意味でもとても意義のある作品だと思います!

 

なんだか偉そうですね(笑)

 

 

 

 

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洋ちゃんの魅力!!

①まず努力!

食べるのが趣味の男が10キロのダイエット!役者はすごい!

 

 

 

②次に演技力

「全然気にしてないよ」と言いながら内心引きずっていることがバレバレなシーンとか、いつも冗談ばかり言っているのに不意に本気になるシーンなど、複雑な感情を表現したり。

 

体が動かなくなるという難しい役を見事に演じています。

途中から本当の患者さんに見えてきて、僕は見ながら、

「やっぱりヨダレを吸うために喉に管を入れるのは変な感じするよな~大変だな~」

「やっぱり人工呼吸器付けながら喋るのは大変そうだな~」

なんて思いながら見ていましたが、そういえばもちろん実際にやっているわけではないんですよね(笑)

医者をも騙す演技力!!笑

 

 

 

③そしてハマり役!

おしゃべり、わがまま、でもみんなに愛されていて。

北海道出身だから北海道弁も自然(笑)

ただ演技がうまいだけではない、実力のある俳優であれば誰でもできるかというとそうではない、運命的な役だったと思います!

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました!

 

幸野つみ