Villa No.14 #42 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ



第1話→★★★

一覧→◇◇◇





















Side N







「んっ…ふ…ぅ…」


息もできないくらい貪られて、俺は本当に苦しくなって唇を離した。


「っはぁ…バカ…」


大野さんは俺の言葉に眉を少ししかめたけれど、すぐに俺の顔を両手で挟んだ。


「ごめん…でも、好き」



ああ、マジで、息が止まりそう…



俺は何も言えずに大野さんを見つめた。大野さんは水の中の俺の体を両手で支えて抱き上げると、プールの壁に沿って設けられた水中の段差の部分に腰掛けさせた。大野さんは俺の正面に立って、段差の部分に開いた両手をついた。そうすると大野さんの方が目線が下になって、下から見上げられる体勢になる。月の光が大野さんを後ろから照らして、くっきりとした鼻梁と美しい瞳を際立たせていた。


「俺は好き…」


ささやくような大野さんの声が、「下から降って」きた。大野さんはまた俺の頰に手を触れさせた。プールの水で手のひらは濡れていて、でもそんなことはどうでもよかった。目の前の唇に視線を落とすと、また唇が触れ合った。ちゅ、と一瞬で離れた唇は、俺の頰に移動する。


「ニノ、好き…」


ちゅ、ちゅ、と場所を変えていく口づけに、胸が痛いくらいに騒いで、俺は大野さんの首根に腕を回した。


「俺、も…」


俺が発した声もかすれていて、月の光を受ける波間に消えていくみたいだった。だけど、大野さんはそれを耳にしたのか、目を見開いて俺を見つめた。


「マジで…ニノ…」


途端に恥ずかしくなって、素早く目を合わせて頷くと、大野さんは「もう、怒ってねぇ?」と心配そうに尋ねながら小首を傾げた。その仕草が可愛くて、俺は「怒ってる」とわざと唇を尖らせた。そしてすぐに「怒ってるけど…好きだよ」と囁いた。大野さんは、目を見開いた。


「もっかい言って…」


「怒ってる」


「…そっちじゃねぇよ」


残念そうに眉をしかめるのも可愛くて、ついぷっと笑うと、大野さんはふふ、と笑った。


「怒ってても好き…ニノ」


大野さんは、俺に顔を寄せて、また俺の唇を塞いだ。二度、三度と啄ばむようにされて、目があった瞬間、またぐっと抱き寄せられた。何度も重なる唇に、吐息も混じり合う。


「止めらんない、な…」


大野さんが照れくさそうに、呟いて笑ったとき、ビーチの方向からヒュウっと口笛が聞こえた。見ると隣のヴィラのテラスにピエールが立っていて、こちらを見ている。ふふ、と面白そうに微笑む彼に、俺は恥ずかしくなって体が熱くなった。


「あ、ピエー…んっ…」


大野さんは一瞬ピエールを見たけれど、すぐに俺に向き直ってまた素早くキスをした。


「俺見てて」


「あ…」


唇を離して短く言うと、大野さんは俺の頭を引き寄せて、何度も唇を重ねた。そのうち、隣のヴィラのテラスの扉が閉まる音が聞こえても、俺たちはずっとそうしていた。