Villa No.14 #41 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ



第1話→★★★

一覧→◇◇◇


















Side N






わかったことは結局、この人がいないと俺はダメなんだってこと。なぜか大野さんがくれ続ける果実を咀嚼しながら俺は思った。



この人がいないと俺はダメになる。



そんなことを心の底から思ったことはなかった。

俺は軽い絶望感に打ちのめされ、同時に諦め、受け入れようとした。他人のせいで自分の気持ちが、人生が、こんなに左右されるなんて、絶望でしょ?でも、同時に、この人なら仕方ない、と思えた。そう思える人だから、俺の人生を「どうにかできる」んだ。受け入れると、今度はその事実はとても甘美なことのように思えた。


この人が長く不在にしていたとき、生きた心地が全くしなかった。後から考えたら短かったのかもしれないけど、そのときは地獄のように長く感じたんだ。でも今は…。クーラーの効いた俺たちの安全なヴィラで、2人はソファに座っている。大野さんは俺に果実を食べさせてくれている。大野さんの指が唇に触れて、胸の奥の嵐が狂おしく暴れた。指が触  れただけでこんなになるなんて、終わってる。でも、だから、もっと触れたい。もっと欲しい。胸の嵐は俺を急かすようにざわざわと大きくなった。南国の果実は甘くて、驚くほど美味い。だけどもう俺は、別のものが欲しくてたまらない…






大野さんの指が俺の  舌  に触  れた瞬間、大野さんは弾かれたように立ち上がった。一目散にテラスに出て行くから、意味がわからなくて慌てて後を追いかける。大野さんはプールサイドから少しジャンプしてプールに飛び込んで水しぶきを上げた。なんなんだ、いったい。もうどこにも行って欲しくないって言ってんじゃん…なんて、言えない自分に不満を感じながら、俺は代わりに「大野さん…」と呟いた。


大野さんはプールから顔を上げた。月の光を背中から浴びる大野さんは、夜の青を身にまとい、美しかった。思わず見惚れていたら、プールの縁に近づいてきた大野さんに下から強く手を引かれて、「あ」と思う間も無く俺はプールに落ちた。



な…



ばしゃん、と音がして、体はプールに落ち、顔に水がかかる。俺たちはずぶ濡れのまま、プールで向かい合った。


「何すんだよっ」


思わず声を上げると、大野さんは真剣な顔で「ごめん…最後の抵  抗  がうまくいかなかった…」と呟いて俺の頰に手を当てて引き寄せた。


「どういう…い…み…」


「頭…冷やしたかったんだけど…」


苦しげに呟く大野さんは、俺に顔を寄せた。どんどん近づいてくる大野さんの唇に、胸が破裂しそうになった。



だめだよ…



キス…したくなる…



「頭冷やしても…止まんない…俺のこと…なじっていいよ…」


冷えてないんじゃないの?とか、バカ、とか言う暇はあったのかもしれない。でも言っても言わなくても結果は同じだったと思う。その次の瞬間、俺の唇は、力強く俺を引き寄せる大野さんの唇で塞がれたから。


「んっ」


気づいた時には、俺も大野さんの頭を抱きしめていた。大野さんも俺の体に腕を回して、ぎゅっと引き寄せる。薄く唇を開くと、たちまちぬ  れた熱  が重ねられた。



ああ…








これが、欲しかった。









これが欲しかったよ…






目を閉じて、夢中で大野さんを抱きしめる。好きだ、という気持ちが後から後から湧いてきて止まらない。


「ん…ん、」


ちゅ、と時折上がる水音にずぶぬれの体の温度はどんどん上がっていく。