Villa No.14 #22 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ


第1話→★★★
一覧→◇◇◇






















Side O







湿った空気と光を感じて、俺はぼんやりと覚醒した。バタン、という音でヴィラのテラスへと続く扉が閉まったのがわかった。俺は少し痛む頭をさすりながら起き上がった。



ソファ…



よかった、夢か…



ほっと安堵のため息をつく。最近一緒にいるせいなのか、よりによってベッドで一緒に寝てたニノにキスする、という夢を見てしまったから。



なんちゅう夢…



でも…なんか…いい夢だったかも…



やべぇな、俺。



頭は少し重いけれど、気持ちは軽やかで、浮き立つようだった。テラスを見るとニノがいた。俺はソファの上でぼーっとしながら、昨夜の行動を頭の中で辿った。



バーでテキーラ一杯飲んで…



ニノが心配だったから帰ろうとしたら、松潤が来て、帰りづらくてさらに何杯か飲んで…



俺よくこの部屋帰ってこれたな…



着ているものも昨日、夕食に行くためにヴィラを出た時のものとまるきり一緒だ。俺は自分の下のソファを見た。



酔っ払って帰ってソファで寝る…



やってること東京にいるときとかわんねぇな…



自分に呆れて、ふ、と笑ったとき、テラスでニノが俺に気づいたのか振り向いた。俺が笑っているのを見たニノはプイッとまた海の方を向いた。



なんだろ、なんか怒ってんのかな…



俺はゆっくり起き上がって、水を一口飲むと、テラスに出た。俺の気配に気づいたニノが、ちらりとこちらを見て、またすぐ海の方を向いた。


「昨日、朝メシ行くの待っててって言われたから待ってたよ」


ニノはそういうと、俺の方を向いた。


「よく寝てたね」


「昨日、ごめんな」


俺が謝ると、ニノの顔にさっとピンク色がさした。


「な、何が?」


動揺したように、ニノはきゅ、と両手を前で合わせていじいじと動かした。


「や…なんか、晩メシ行くとき、帰んの怖そうとか話してたのに…俺だけ飲んで…ごめん」


「ああ…いいよそんなの」


ニノはびっくりしたように目を見開いて言った。


「…えっと、それだけ…ですか?」


「へっ⁈ 」


俺は面食らってニノを見た。じっと窺うようにこっちを見る目は朝日を受けてキラキラしている。小さな犬みたいなその瞳が、俺のイケない夢を見透かしているみたいでなんとなく落ち着かない。視線をそらしても、目に飛び込んで来るニノの赤い唇に、どきんとした。


「いやっ…あのっ…ごめん、帰れたんだけど松潤が来て…一緒に飲んで…遅くなって…ごめんっ」


俺はしどろもどろ言い訳しながら、これじゃあ夫婦みたいだな、と内心思った。


「潤くんと?」


また目を見開いて聞き返すニノに、こくこく頷く。


「そうなんだ…」


いうなり黙りこくったニノが気になって、俺はニノの顔を見ながら次の言葉を待った。


「すごく飲んだの?」


「うん…まあ…テキーラのボトル空いちった」


「ふっ…マジで?」


ニノがやっと笑ってくれて俺は心底ほっとした。


「…で、朝メシ行けんの?」


「あ、うん、用意してくる」


俺は慌てて部屋の中へ戻った。