Villa No.14 #5 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side N







夕食は皆と一緒にホテルのレストランで取った。相葉さんが翔ちゃんと潤くんに俺たちの部屋の豪華さを熱弁していた。


「マジですごいよ!プール付いてるし、海にそのままドボンできちゃうし」


「そっか〜俺もそっち行きゃよかったかなあ」


翔ちゃんは残念そうな顔で言ったけれど、大野さんは「でも男同士だよ」というと、「そうなんだよね〜」と悩む顔つきになった。


「そういえば明日カメラマンさん来るんだっけ」


潤くんがスタッフに確認する。その「世界的凄腕カメラマン」は、明日到着し、昼から撮影の予定になっているらしい。


「じゃあどっか行くなら午前かあ」


翔ちゃんが言って俺はびっくりした。


「へ?どっか行くの?」


「そりゃそうじゃん、もったいないでしょ」


こともなげに言い放つと翔ちゃんは、給仕に来てくれていたホテルの日本人スタッフに話しかけた。


「ここら辺で半日で帰ってこれる観光スポットありますか?」


「そうですね〜ちょっとお待ちください」


その日本人の女性スタッフはにっこり笑った。「MARI」と書かれた胸のネームプレートは使い古した感じがして、ここに何年もいるのだろうと俺は思った。


「こちら、voucherになるのでよければ」


ホテルが出している観光案内とクーポンを持って来てくれた。覗き込む俺たちを見て、マリさんは恐る恐る聞いた。


「あの…日本のアイドルの方と聞いたんですが…」


「あ、もしかして知らないんだ、俺たちのこと!」


相葉さんが嬉しそうな顔をした。


「すいません、知りません」


申し訳なさそうにする彼女に大野さんが「知らなくていいっすよ」と声をかける。大野さんの言葉にホッとしたのか、マリさんはにこっと笑った。


「日本のテレビは映らなくて…ごめんなさい」


「そうなんだ」とマリさんに笑いかける大野さんを見ていたら、自分の機嫌がなんだかよくない方向に進んでいっているように感じた。


「何年くらいここにいるんすか?」


「もう7年いますね。20代のころからここで働いてます」


大野さんがマリさんの指にちらりと目を走らせたから、気になって俺も見た。左の薬指にシンプルな指輪がはめられている。



大野さん、もしかして、こういう感じの人好きなのかな…



翔ちゃんや潤くん、相葉さんとも明るくにこやかに話すマリさんを見ていると、そんな気持ちが湧いてきて俺は戸惑った。



…別に、いいじゃん、そんな…大野さんの趣味なんて…



「すげぇな、移住とか」


大野さんは俺の戸惑いには全く気づいていないようで、上機嫌で隣の俺に話しかけた。


「そうだね、すごいよね」


「俺もしたかったな〜」


冗談めいた口調で呟く大野さんに、潤くんが「嵐4人になるからやめろって」と笑いながら突っ込んだ。



この人の場合、あながち冗談でもないからね…



寝た子を起こすことになったら嫌だな…と俺は思った。








夕食が終わって、皆部屋に戻ることになった。


「じゃあふたり、間違い起こさないようにね」


と翔ちゃんが揶揄する口調で言うのに「起こるわけねぇだろ」と言い返すと、皆笑った。


「おやすみ」と口々に言い合うと、大野さんがすっと俺の隣に近づいてきた。


「さ、帰ろか」


「うん…」



…なんだろ、この自然さ。



俺は戸惑いながら男2人で部屋番号14のヴィラを目指して、ライトアップされた桟橋を歩いて行った。