君と、はじめて 12 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ 
















「あの…」


大野さんは読んでいた雑誌をそばのローテーブルに置いて、困り顔から困った声を出した。俺は、なんでいなくなったんだよ、と思いを込めて口を尖らせつつ聞いた。


「あの…昨日、うち、来たよね…?」


ぽつりぽつり言うと、大野さんは一瞬固まった後、こくりと頷いた。


「なんで…俺が起きる前に帰ったの?」


「…ごめん」


大野さんは眉を寄せてそう呟くと、目をそらした。


「お前と…その…あんなこと…して…」


俺は大野さんの、珍しく膝の上できゅっと丸められた握りこぶしを見つめた。


「信じらんなくて、すげぇ…嬉しくてさ……」


大野さんは顔を上げた。胸がどきん、と跳ねる。困りはてたようなその顔も、好きだな、と思った。


「だけど…俺…すげぇ酔ってて、なんか、勝手にいろいろしちゃったような気がして…お前に悪いことしたなって…」


大野さんはばつの悪そうに目を伏せた。



…や、男の俺から見ても…かなり、我慢してくれてた…と思うけど…



大野さんは少し黙った後顔を上げた。


「そんでお前起きたら…もしかしたら…何すんだよって言って…怒るんじゃねぇかって…したら、昨日のこと、なかったことにしようって話になんじゃねぇかって…」


「え…」


「だから、もうとりあえず、既成事実にしようと思って帰ったの」



は?



大野さんは真面目な顔で眉を寄せたまま俺を見つめていた。


この人が、既成事実という単語を口にしたことにびっくりしたけれど、今はそこじゃない。


「や、普通逆…でしょ」


「へ?」


俺が絞り出した声に大野さんは驚いた声をあげた。


「既成事実にしたいんなら、そのままいるでしょ」


「へ?そ…なの?」


「そう。だって帰ったら、なかったことにしたかったのかな?って思うじゃん」


大野さんは目を丸くした。


「…てことは…ニノの中では、なかったことにしなくていいの?」


「いいよ、そんなの…したじゃん、だって…」


昨夜のことが急に蘇ってきて、俺はまた頰が熱くなるのを感じた。


「怒ってねぇの?」


「怒ってない…」


「マジで…」


大野さんは掠れた声でそう言うと、立ち上がってふらふらとこちらのソファへ座った。


「痛かっただろ?」


「んなの、いいよ」


大野さんはおずおずと両手を開いて、俺を抱き寄せた。


「ギューってしていい?」


そう聞かれるやいなや、俺は大野さんの腕の中にぎゅっと抱きしめられた。



あ…



大野さんの香り…



「もう…してるじゃん」


「んふふ…」


大野さんの肩に顔を乗せていたから見えなかったけれど、大野さんはやっと、照れくさそうに笑ったみたいだった。大野さんが俺を抱きしめる腕にはしっかりと力が込められていて、昨夜の腕と同じだ、と思った。


「大野さ…」


「ニノ」


俺も抱きしめたくて、腕を動かして身じろぎしたら、不意に顔の前が暗くなった。ふに、と唇に柔らかいものが押し付けられる。


「ん…」



どどどどうしよ…



ここどこかわかってんのかよ!



誰か入ってきやしないかと焦る俺の薄く開いた唇に、大野さんは素早く侵入した。


「っふ…」



やばい…



やっぱ、気持ちいい…



触  れあう熱は優しくて、甘くて熱い。吸  われ、絡め取られる感覚につい「もっと」とでも言うように求めてしまう。大野さんの手が俺の後頭部に回って、深く絡み合うように引き寄せられた後、その手が今度は俺の耳を包んだ。