君と、はじめて 11 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ


















…それが、昨夜のこと。


そして今、俺は楽屋の扉の前で珍しく立ちすくんでいる。


2人で溶け合った後、俺は眠ってしまったようで、意識を取り戻した時には、大野さんはいなかった。身は清められ、服もちゃんと着ていた。体を動かすと、時折慣れない鈍い痛みが走って、俺は顔をしかめながら大野さんのことを考えた。



なんで、いないんだろう。



一言、ラインでもすればよかったのだろうけど、それもできずに仕事の時間になってしまった。



まだ、あの人と寝てから、1日すら経ってない…



ふと気づくと、廊下の向こうに人影が見えて、自分がずっと扉の前に突っ立っていることに気づいた。



はあ…



なかったことにされたら、どうしよう…



なんにもなかったみたいに大野さんが振舞って来たら、俺は…





ため息をひとつつくと、覚悟を決めてドアノブに手をかける。


ドアを開けると、3人と大野さんがもう中にいた。3人は着替えたりスマホをさわっていて、大野さんはソファで雑誌を読んでいた。


「おはよ…」


小さな声で挨拶すると、「はよ〜」と返ってくる。大野さんは俺の声にびくっとして、俺の方をちらりと見て「は、はよ…」と口の中でもごもごと言った。



あ…ちょっと、慌ててる…?



無視されなかったことに少しほっとして、俺は大野さんが座るソファの向かいのソファに、正面にならないようずれて座った。そんな俺を、大野さんは雑誌から顔を上げてちらりと見て、また慌てて下を向く。



あれ?顔赤い?



俺はスマホを取り出しながらさりげなく大野さんを観察した。大野さんは少し口を尖らせて雑誌を読んでいていつも通りに見えるけれど、ほんのり耳が赤い気もする。



俺のこと、意識してくれてんのかな…



そうぼんやりと考えていた矢先、大野さんの横を通った翔ちゃんが「ぶはっ」と噴き出した。皆がいっせいに翔ちゃんを見ると、翔ちゃんは大野さんを見て笑っていた。


「大野さん、雑誌読んでるなあと思ってたら全然読んでねぇじゃん!」


言われて大野さんが膝に広げた雑誌を見た。



あ…



「ほんとだ、上下逆だね、リーダー」


潤くんが面白そうに言うと、大野さんは真っ赤になって、雑誌を隠すように体で覆った。


「マジで?リーダー結構長いこと読んでたよね、そこで」


ふひゃひゃって笑いながら、相葉さんが言うと、大野さんは困った顔になった。


「や、なんか…その…ぼーっとしてて」


「リーダーがぼーっとしてんのはいつもだけどさ」


くっくっと潤くんが笑う。


「最近突き抜けてきたよね、なんか」


「や、その…あ、ちょっとトイレ行ってくる」


大野さんは思いついたようにそう言うと、逃げるように楽屋を出て行った。










俺がスタイリストさんに促されて着替えを始めたとき、大野さんは戻ってきた。Tシャツを脱ごうとしていた俺と目があった彼は「わっ」と声をあげて、すぐに慌てたように口を押さえた。


「なに?どうしたの、今日」


翔さんが面白そうに大野さんを見ながら笑う。大野さんは俺から視線を外して、ソファに向かって歩いた。


「や、なんでもな」


大野さんはそう言った矢先、途中のテーブルにガン、と盛大にぶつかった。


「リーダー、マジで大丈夫?」


「風邪とか?」


皆が心配そうに問いかける中、大野さんはまたソファに座って手を振った。


「大丈夫」


「ホントに?もう…俺ら雑誌の取材とかあるから行くけど、ニノ、この人大丈夫か見てて」


潤くんと相葉さんは雑誌の取材らしい。潤くんに頷きながら、翔さんも部屋を出ようとしているのが見えて焦る。



この状況で、大野さんと2人になったら、気まずいな…



「あれ?翔さんは?」


俺が聞くと、「ちょっと打合せ」と返ってきて、俺はなす術もなく笑って「わかった」と言うしかなかった。










「えっ…っと…」


3人が出て行って2人きりになった楽屋で、大野さんを見ると、俺と同じような困った顔でこちらを見ていた。しかたなく俺は、大野さんから視線を逸らしながら向かいのソファに座った。


「ニノ…」


緊張しながら顔を上げると、大野さんは困ったような、思いつめたような真っ赤な顔で唇を尖らせてこちらを見ていて、俺の頰も一気に熱くなった。俺たちはしばらく見つめあったまま固まっていた。