Sakura 16-1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ













翔の店に着いた智は、店先にいた使用人に「翔に報告したいことが…」と申し入れた。息を切らせて駆けてきた智の、珍しく動揺したような顔つきに翔も気を引き締めた。

翔の店の二階にはすでに和が来ていて、智を見ると表情を一瞬和ませたものの、智の厳しい顔つきに、どうしたのかと智が話すのを待った。


「家族の仇を見つけた…」


ぴく、と和の肩が動いた。智は翔の前に正座して座り、膝の上で拳をきつく握りしめていた。


「それでは、伍代七右衛門が…三年前の…」


「はい」


智の厳しい顔つきと、暗い闇のたゆたうような瞳に、和は胸が痛くなった。この人の痛みを、そして悲しみを、同じ重さを背負えないにしても、少しでも軽くなるように、その一端を支えてあげたい。和も、知らず拳をぎゅっと握りしめていた。


「明日、村上屋に押し入ると話していた。一人か二人かが屋敷に残って、医者を呼び、屋敷にいたという証明を作るらしい」


「なるほど…」


翔は考え込んだ。和は斜めに座る智の顔色を窺った。少し落ち着いたようだが、拳はきつく、白くなるくらいに握りしめられたままだ。


「それでは、我々も村上屋に潜んで迎え撃つことにしよう。俺と大野さん、あと涼介と侑李も連れて行こう。大野さん、いけるよね」


翔は智と、年若い部下の名前もあげた。智は頷いた。近年、策を練ったり、部下の活動を後方支援することの多くなった翔が自ら戦いに乗り出すのは珍しいことだった。


「俺は…」


「和には、屋敷に向かってほしい」


「え…」


驚いて声をあげたのは智の方だった。和は落ち着いた様子で「わかりました」と頷いた。


「翔様、和ひとりは危ねぇよ…」


「確かに、そうなんだけど…和にしかできないことがある。伍代は、ある大名の家宝である古伊万里の徳利を盗んだとされている。その証拠を…つまり、実物を確保してほしいんだ」


「わかりました」


こともなげに頷く和を見て、智はなおも不安げな声をあげた。