苦手な方はご注意くださいませ
Side A
ああ…体がだるい…
昨夜は結局、翔ちゃんいわく「おっ始め」ようとして、「コイビトのチュウ」の真っ最中に、一人寝がさびしくなったニノが、泣きべそをかきながら俺たちの寝室にやってきた。ふたりで交代しながらなんとか寝かしつけた後、案の定翔ちゃんは、隣で子供(ニノだけど)が寝てる…というシチュエーションに燃えてしまって…
…何ラウンドしたんだっけ?
「雅紀…そんな声出したら…起きてくるよ」って翔ちゃんの低音ボイスで耳元で囁かれて、リズミカルに揺さぶられて…
「んっ…ぁ…っ…翔ちゃ…っはぁっ」
どうしても出てしまう声を手で押さえながら、瞳で「気持ちいい」って伝えられるように何度も見つめあった。
で、朝起きたら腰が…
でもまあ……いっか、と思っている自分もいるんだ。そういうわかりやすい翔ちゃんは可愛いし、それに俺も…
なんていうか…
超…気持ちよかったし…
「何かにやにやしてる」
送迎車の後ろでぼんやりしていたら、隣に座ったニノが俺の顔を覗き込んだ。
「あ、にやにやしちゃってた? すいません、引き締めますっ」
すぐさま俺が両頬を手で叩いてビシッと真面目な顔を作ると、ニノはけらけら笑った。
「そんでさ、ニノちゃん…」
「何?」
くるん、と振り向くニノはあまり寝ていないのにも関わらずツヤツヤした肌に、ウルウルお目目で…
はぁ、すげぇな…
俺もさわりたくなっちゃうもん…
リーダーいいなぁ…
「翔ちゃんと俺のことはみんなには内緒ね」
「しょうちゃんとあいばさんがコイビトだってこと?」
「そう…で、昨日は俺がたまたま遊びにきてたんだよ?」
「わかった」
ニコッと笑って頷いたニノはまた前を向いた。前を向いていないと車に酔ってしまいそうと言っていた。当たり前だけど、大人の時と体質は変わらないらしい。
いつ戻るんだろ…大人に…
そろそろ、仕事も調整がきかなくなってくる。今日も撮影だけの仕事らしいけど、番組収録とか、話す仕事はどうしても避けられない。
「あいばさん、どした?おなかいたい?」
「ううん、大丈夫だよ」
見た目も…たまにだけど、口調も
大人なんだけどな…
昨日、俺たちの部屋来たときには泣きべそをかいてたし…まだホントに子供なんだよね…
ってか、この調子だと…
早く戻らないと、リーダーがまいっちゃうんじゃないかなあ…
俺の心配をよそに、ニノはマネージャーときゃっきゃっと楽しそうに話していた。
撮影は俺とニノでやるらしかったが現場の控室にリーダーのマネージャーが来ていてびっくりした。
「あれ?どうしたの?」
「あ、今日ちょっと大野さんから預かりものが…二宮さんどこですかね?」
そう言ってマネージャーが取り出したのは家の鍵のようだった。
「ニノは今トイレ行ってる…それ…リーダーの?」
「そうなんです…今日はちょっと遅くなるけど、二宮さんを泊まらせるって言って…先に大野さん家に二宮さんを帰らせるよう渡してくれって」
「ふふっ」
思わず笑いがこみ上げて俺は口を押さえた。
過保護だな…
でも、わかるよ…
一緒にいたいんだよね。
「あ…おーのさん…のマネージャーさん」
ニノが戻ってきて、彼を見つけて呟いた。
「あ、二宮さん、これ…大野さんが」
ニノはリーダーの家の鍵を見て、顔をぱあっと輝かせた。
「おーのさん家のだぁ…今日おーのさん家行っていいの⁈ 」
リーダーのマネージャーは頷いて、「少し遅くなるから先に帰っていてほしいそうです。ちょっと二宮さんのマネージャーに話してきます」と控室を出て行った。
「よかったな、リーダーの家行けて」
「うん…会いたかったから…嬉しい」
丸っこい指で鍵を掴んで、ぎゅっと握りしめて微笑むニノは本当に可愛くて、俺はリーダーがここにいればよかったのに、と思った。
「あ…おーのさん…のマネージャーさん」
ニノが戻ってきて、彼を見つけて呟いた。
「あ、二宮さん、これ…大野さんが」
ニノはリーダーの家の鍵を見て、顔をぱあっと輝かせた。
「おーのさん家のだぁ…今日おーのさん家行っていいの⁈ 」
リーダーのマネージャーは頷いて、「少し遅くなるから先に帰っていてほしいそうです。ちょっと二宮さんのマネージャーに話してきます」と控室を出て行った。
「よかったな、リーダーの家行けて」
「うん…会いたかったから…嬉しい」
丸っこい指で鍵を掴んで、ぎゅっと握りしめて微笑むニノは本当に可愛くて、俺はリーダーがここにいればよかったのに、と思った。