Kissからはじめよう 20 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ



















Side N





大野さんは、あの日と同じくらい、ぎゅっと強く、痛いくらいに俺の手を握って、小道を歩いていた。


違うのは、あの日はキスする前で、今日はキスした後ってことだろうか。



ああ、俺としたことが



こんなこと、



考えるなんて…




人生の時系列を、誰かとのキスで区切ったことはなかった。強いて言うなら初めてのキスくらいか。



これからの人生は、大野さんとキスした後のことになんのか…



そんなことを考える自分に恥ずかしさがこみ上げる。ぎゅっと手を握り返すと、隣を歩く大野さんは、んふふ、と照れたように笑った。



照れるよね、やっぱ…



庭の小道は木々の中を進み、途中いく通りかに分かれたけれど、大野さんは来た道のせいなのか、どんどん歩いていった。


ホテルの正門までたどり着いて、大通りに出る。遅い時間のせいか、車や人は少なかった。


そのとき、一台の車がすうっと俺たちの方へ近づいてきた。



運転してる奴、なんか見覚えが…



「あ、マル」


大野さんが呟くのと、車が俺たちの前で止まるのは同時だった。


「ニノ、おおちゃん、大丈夫やった?乗って」


マルは後部座席を指して俺たちに乗るよう促した。


「ありがと」


大野さんはお礼を言って、俺の手をつないだまま乗り込んでいく。


「はあぁ…何それ、そういうことなん?」


突然、マルが運転席に突っ伏した。


「へ⁈ 」


「マル、どしたの…」


マルはくるっとこっちを見て、俺たちのつないだ手を恨めしそうに見た。


「おふたりさん、そういうことなんやろ?」


「や、その…」


俺は気まずくなって手を離そうとしたけど、大野さんは離そうとせず、反対にぎゅっと握った。


「そういうことだから」


「お、大野さん…」


「マジで…まさか今日⁈ 」


大野さんは車の中でもわかるくらい真っ赤になった。


「…今日」


大野さんが小さく呟くと、マルはまた大仰に運転席に突っ伏した。


「はあぁ…マジで…心配して来てみたら…」


「や、マル…その、ごめん、ってかありがと」


俺がテンパり気味で色々言うと、マルはこっちをジロッと見た。


「じゃあ、ちょっとつきおうて?」


「は⁈ 」


「もう今夜は…俺の失恋パーティやで‼︎ 」


マルはそう言ってエンジンをかけた。


「な…失恋って…」


「失恋言うたら…失恋やんか」


今度は俺の頰が熱くなる。



マル、ごめん…



「そんな顔せんで、ニノ。今日、ふたり一緒に飲み明かしてくれたら忘れるわ」


「なんで俺たち…」


「だって、俺を失恋に追い込んだ張本人らやんか」


マルはもう一度、俺たちのつないだ手をちらりと見て口を尖らせた。


「よし、ほな行こ」


マルは車を発進させた。


「や、待ってマル!今日は…」


「どうせふたりきりでいちゃいちゃしよ思てたんやろ⁈ そうはいかへんで〜」



ああ…



あかんわ、もう、と思わず言いたくなるくらいのテンションの乱れ具合…



大野さんの顔を窺うと、大野さんはふふっと笑った。


「大野さんは…その…いいの?」


声を潜めて聞くと、大野さんは頷いた。


「はじまったばっかだから…でも、はじまったから」


大野さんは満足そうに微笑んで、後部座席のシートに身を預けた。俺は、頷いて同じようにシートにもたれた。



はじまったね、俺たち…



今夜のキスから…













や、違うか。










あの夜のキスから、











ほんとは、はじまってたんだよね…





窓の外に視線をやると、夜空に月が見えた。


「ほら、リーダー、満月だよ?」


俺がつないだ手をきゅ、と一瞬強く握って、もう片方の手で窓の外を指さすと大野さんは、月を覗き込むように外を見た。


「ホントだ…きれぇだな」


ふふ、と微笑む大野さんに微笑み返す。


「はあ…知念くんも呼ぼかな…」


運転席で、マルが小さく呟いた。
















-END-





アレ♡は続編で♡( ´艸`)
第一部?は終わりです(*^^*)

お読みくださってありがとうございました(^-^)/