君の瞳でつかまえて 42 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ



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Side N







…誕生祭、間に合った…



そう安堵しながらも、俺の目はもうすでに大野さんを探していた。城の庭には、すでに多くの街の人々が集まり、中央を見つめながら、誕生祭の舞が始まるのを待っている。


庭には、祭のために大きな櫓(やぐら)が建てられていて、それに登ることは王族と、わずかな側近にしか許されていない。

その上にいる俺の姿に、先ほどからちらちらと送られる視線には気づいていた。

行方不明だった王子が見つかったという噂が、もうこの国の人々の間に伝わっているのかもしれない。



王子やらせてもらうのは…今日からだからなあ…



俺は自分の考えに、自分で少し笑った。


「カズ、似合うね」


背後から、櫓に登ってきた潤王子の声がした。


俺は振り向いて、潤王子と櫻井大尉を確認し、自分に着せられたきらびやかな王族の正装に目をやった。


「まだ…慣れないよ…J はさすがに似合ってる」


「ふふ…J って聞くとカズが戻ってきたんだって実感すんなぁ」


潤王子は櫓の手すりに手をついて、庭を見下ろした。


「もうすぐ始まるね」


「あの…」


俺が言いかけると、潤王子はニヤリと笑った。


「なに?」


「あの…大野さんは?」


昼すぎに城に着くなり、小姓達に着替えをさせられて、大野さんには会えていなかった。


「ふふ…会いたい?」


いたずらっぽい笑顔で聞かれて、顔が熱くなるのがわかった。



…そんなの、当たり前じゃん。



会いたくて、戻ってきたんだから…



「智さんは舞を披露することになってるから、他の者たちと一緒に今出番を待ってるはず」


「そうか…舞を…」


とたんに、大野さんの舞う姿が脳裏に蘇る。



俺が、最初に出会った大野さんの姿。



「ほら、始まるみたいだよ」


祭の始まりを告げる太鼓の音が聞こえ、目にもあざやかな衣装をまとった男女の踊り手達が城の庭に登場した。