アメンバー様募集、再開しました(・∀・)
ご検討いただいている方がいらっしゃいましたら、詳しくはひとつ前の記事をご確認ください
以降、BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
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「リーダー、舞は完璧?」
潤王子の誕生祭の日、午前中はいつも通り、牢屋番の詰所に出勤した俺に、相葉ちゃんが尋ねた。
今夜、誕生祭で披露する舞のことだろう。
「完璧かはわからないけど、やることはやった」
「あとは、本番だね!夕方だよね?」
「ああ…日の入りぐらいから始まる」
誕生祭は、日の入りぐらいから始まり、城の庭で音楽や舞が披露され、その後潤王子が城に集まった民に講話を発する。
今夜は、それに加えて、ニノの…和也王子のお披露目と、西国との停戦協約の説明もある予定だ。
「ニノ…じゃないや、和也王子は戻って来たの?」
相葉ちゃんは心配そうに聞いた。俺は首を振る。
「まだ…」
「今日のお披露目に、間に合うのかな?」
「一応、間に合う予定でいろいろ準備するよう言われてるけどね…」
気づけば、知らず知らずのうちに右手で左手首を撫でていた。
最後に、ニノに触れたのは…
もう、ひと月以上前になるのか…
ニノが西国に発つ前、懇親会へ遅刻するのを覚悟をして、ふたり、性急に体を重ねた。
このひと月、そのときの記憶で生きてきたと言ってもいいくらい、
何度も何度も
そのときのことを思い返して、過ごしてきた。
真っ赤な耳を戯れに噛んだときの感触とか、
俺の指先に反応を返す白い体とか、
甘く漏れるかすかな声、
切羽詰まった浅い呼吸のリズム、
ニノのそんな全てを思い出しながら、爆発しそうな思いを堪えていた。
ニノは…無事に戻ってきてくれるだろうか。
やっぱりトーマ王子に自分が必要だと、思い直してやしないだろうか。
あの、マルとかいう輩の猛プッシュとかにあって、心変わりしてやしないだろうか…
早く会いたくて、抱きしめたくてたまらない。
俺は詰所の窓から空を見上げてため息をついた。
「気もそぞろだね…せっかくあんなに練習してたんだから、しっかりやんなよ?」
相葉ちゃんが、俺の肩をポンと叩きながら言ってくれて、俺は頷いた。