Side O
「大野さん…」
顔を近づけて、唇を寄せていく。
「止まんなくなったら…ごめんな…」
ニノの瞳の奥に、俺が…俺だけが映って、その姿が次第に見えなくなった。
「んっ…」
目を閉じたニノの唇を塞いで、俺も瞳を閉じた。柔らかい、ニノの唇に唇を重ねて角度を変えると、熱い舌にふ れる。
「…んっ…ぁ…」
反射的に、中へ忍び込む。驚いて縮こまったニノを誘うようにあちこちに触れた。
「っふ…ゃ…」
髪を撫でると、ニノは手 錠のはまった手で、つないだ俺の手をきゅっと握る。
やっぱ、可愛い…
可愛くて…やめらんない…
ぐっと後頭部を抱き寄せて、口付けを深めていく。ぴちゅ…と湿った音が漏れると、ニノが身をよじって、わずかな抵 抗を示した。
「っは…ぉ…ぉのさ……あとで…」
「え…」
思わず身を離すと、真っ赤になったニノが瞳をウルウルさせて唇を尖らせてこちらを見ていた。
「そ…そういうのは…あとで…」
小さな声で言われて、ハッと我に返る。
「あとで…もっかい、していい?」
真っ赤になったニノがこくんと頷いた瞬間、パチパチ…と広間にいる人々の間で拍手が巻き起こった。
「あの…」
俺もニノも慌ててあたりを見回した。潤王子も、櫻井大尉も、相葉ちゃんも、トーマ王子も、西国の者達も手を叩いている。
俺はニノと顔を見合わせた。
鳴り止まない拍手に、ニノが頬を赤らめたまま、そっと俺に抱きついてきた。片腕を背中に回してぎゅっと抱きしめ合う。
耳元でニノが、
「あとで…もっかい…ちゃんとしてね?」
と小さく囁いた。