「小悪魔ちゃんの本気hunt☆」をベースに書きましたが、単体でもお読みいただけるかと思い、テーマは「大宮妄想 短編」に入れました。
ほんのーりですが、「小悪魔ちゃんの本気hunt☆3」とリンク?してます。
とても短い予定です。
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Side N
でも、やった方はてんで覚えてないなんてこと、往々にしてよくあることだけど…
大野さんと愛しあった後、少し汗ばんだ、薄いけれど頼もしいその体の上に乗って、唇を触れ合わせていたとき、それは発覚した。
「ニノの唇…あめぇな」
まだ熱い息を吐きながらも、大野さんの唇が俺のを何度かついばんだ。
「ん…」
「おいらさ…何回か、お前とキ スしてぇって思ったことあんだよな…初めてお前とキスする前から」
俺は閉じていた目を開けた。
「一回、したじゃん」
「タカとユージやってるときだろ?」
「じゃなくて」
俺が否定すると、大野さんはキョトンとした顔になった。
「まさか…覚えてないの?」
「え…したっけ…」
「ま、結構前だしね…」
俺はわざと大きくため息をついて、大野さんの体から傍のシーツに降りた。
「ニノ、ごめん、いつだっけ」
焦った大野さんの声と腕が追いかけてきて、俺をぎゅっと抱きしめる。
俺はぼんやりと数年前のことを思い出していた。
すべてのツアー日程が終わった後の打ち上げは、当たり前といえば当たり前だけど、たまに開かれる通常のライブ後の飲み会よりも盛り上がる。
疲れも相まって、みんなへろへろに酔っ払うのが常だ。
大野さんなんて、お店の個室の中とはいえ、壁にもたれかかって完璧に寝てしまっていて、潤くんとスタッフが面白そうに話しかけていた。
「リーダー、寝てたら落書きとかすっぞ」
「大野さん、寝たままだと置いて帰りますからね~」
俺にはこの頃から大野さんは…なんというか…トクベツで、話していたジュニアに「ゴメン」と断ると、寝ている大野さんに近づいていった。
「大野さん、ダメだよ、こんなとこで寝たら。寝るならもう帰りな」
傍にしゃがんで、大野さんの肩をそっと揺する。大野さんはゆっくりと目を開けて、俺と視線を合わせると、ふにゃっと笑った。
「にの」
思いがけない満面の笑顔に胸の奥がどきんと跳ねる。
大野さんはそのまま両腕を俺に向かって伸ばすと、「トイレ」と呟いた。
「マジかよ。お前、甘えてんじゃねーよ」
照れくささも相まって、語気荒く言う俺に構わず、大野さんは両腕を俺に向かって伸ばしたまま、また目を閉じてしまった。
「ははっ…ここで漏らしたりすんなよ、リーダー」
潤くんの言葉に、目を閉じたまま、んふふっと笑う。
ま、いっか。
この人に甘えられるのは、キライじゃない。
ってか、むしろ…
俺は大野さんを抱き起こして肩を組んだ。
「ニノ、大丈夫?俺も一緒に行こうか?」
ふらつく俺と大野さんを見て、潤くんが心配顔で聞いてくれたけれど、俺は首を振った。
トイレに入ると、洗面台があって、奥に個室が一つだけあった。
「大野さん、ひとりで入れる…ぅわっ」
かろうじて肩につかまっていた大野さんの体の力が抜けて、俺は大野さんにのしかかられる形で洗面台の背後の壁に押し付けられた。
「おーのさん…もう、何してんだよ」
「にのだぁ」
呆れた声をあげる俺の顔を見て、大野さんは嬉しそう声を上げた。
ホント酔ってんな…この人…
大野さんは俺の頰を両手で挟んだ。
「ちょっ…こら」
俺が焦って大野さんの手首を掴むのと、大野さんが俺の唇をその唇で塞いだのは同じタイミングだった。
「んっ…」
押し付けられた熱い唇が、中に入りたそうに、何度も角度を変えて密着する。息を吸おうと少し開けた隙間はすぐに探り当てられて、燃えるように熱い大野さんの 舌が、奥 に入り込んできた。
すべてのツアー日程が終わった後の打ち上げは、当たり前といえば当たり前だけど、たまに開かれる通常のライブ後の飲み会よりも盛り上がる。
疲れも相まって、みんなへろへろに酔っ払うのが常だ。
大野さんなんて、お店の個室の中とはいえ、壁にもたれかかって完璧に寝てしまっていて、潤くんとスタッフが面白そうに話しかけていた。
「リーダー、寝てたら落書きとかすっぞ」
「大野さん、寝たままだと置いて帰りますからね~」
俺にはこの頃から大野さんは…なんというか…トクベツで、話していたジュニアに「ゴメン」と断ると、寝ている大野さんに近づいていった。
「大野さん、ダメだよ、こんなとこで寝たら。寝るならもう帰りな」
傍にしゃがんで、大野さんの肩をそっと揺する。大野さんはゆっくりと目を開けて、俺と視線を合わせると、ふにゃっと笑った。
「にの」
思いがけない満面の笑顔に胸の奥がどきんと跳ねる。
大野さんはそのまま両腕を俺に向かって伸ばすと、「トイレ」と呟いた。
「マジかよ。お前、甘えてんじゃねーよ」
照れくささも相まって、語気荒く言う俺に構わず、大野さんは両腕を俺に向かって伸ばしたまま、また目を閉じてしまった。
「ははっ…ここで漏らしたりすんなよ、リーダー」
潤くんの言葉に、目を閉じたまま、んふふっと笑う。
ま、いっか。
この人に甘えられるのは、キライじゃない。
ってか、むしろ…
俺は大野さんを抱き起こして肩を組んだ。
「ニノ、大丈夫?俺も一緒に行こうか?」
ふらつく俺と大野さんを見て、潤くんが心配顔で聞いてくれたけれど、俺は首を振った。
トイレに入ると、洗面台があって、奥に個室が一つだけあった。
「大野さん、ひとりで入れる…ぅわっ」
かろうじて肩につかまっていた大野さんの体の力が抜けて、俺は大野さんにのしかかられる形で洗面台の背後の壁に押し付けられた。
「おーのさん…もう、何してんだよ」
「にのだぁ」
呆れた声をあげる俺の顔を見て、大野さんは嬉しそう声を上げた。
ホント酔ってんな…この人…
大野さんは俺の頰を両手で挟んだ。
「ちょっ…こら」
俺が焦って大野さんの手首を掴むのと、大野さんが俺の唇をその唇で塞いだのは同じタイミングだった。
「んっ…」
押し付けられた熱い唇が、中に入りたそうに、何度も角度を変えて密着する。息を吸おうと少し開けた隙間はすぐに探り当てられて、燃えるように熱い大野さんの 舌が、奥 に入り込んできた。