洗面器に熱湯を張って、新しいタオルを物色してそれを首にかけ、俺は寝室へ戻った。
ニノは体力の限界なのか、掛け布団の上に衣装を着たままの体を投げ出して眠っていた。
その安らかな寝顔を見下ろしても、なぜか俺の心は晴れなかった。
会うまでは、会いたいとだけ、思っていた。
会ったら、安心して、嬉しくて…
でも、満ち足りた気分にならない自分がよくわからない。
これ以上、何を望んでるというんだろ…
俺を頼ってくれて、甘えてくれて、それでいいじゃん。
…でも、でも、
ニノは…
俺の脳裏に中島くんを抱きしめて、「ユウト」って囁いたニノの微笑みが蘇った。
ニノは…
ホントはあのまま中島くんに、そばにいてほしかったんだろうな…
俺がアホな面さげてのこのこ来たから、
俺は同じグループのメンバーだからいろいろ頼みやすいだろうし、
中島くんは大事な収録あるって言ってたし、
そんな理由で中島くんを帰したんだろうなって、
それぐらいのこと、おいらにも想像つくんだよ…
ニノの寝顔を見ながらぼーっと考えていたら、ニノは少し身じろぎして、目を開けた。
「…大野さん?」
「あ、これ、体拭いてやろうと思って…」
俺が、持っていた洗面器に目を落として呟くと、ニノは寝たまま弱々しく微笑んだ。
「ふふ…サービスいいね…大野さん…」
「昔、風邪ん時、母ちゃんがしてくれたから…」
俺は洗面器をベッドサイドの小さなテーブルの上に置いて、熱湯にタオルを浸して固く絞ってから、ベッドの傍らにしゃがんだ。
「ちょっとだけ、起き上がれる?」
「ん」
ニノは中島くんにしたみたいに、俺に向かって両手を広げた。俺はニノの背中に腕を入れて抱き起して、その額を自分の胸に寄りかからせた。
ニノは目を閉じて、腕をだらんと身体の横へ投げ出す。その背中を片手で支えながらもう片方の手で、ボタンの外れたシャツを開いていった。
片腕ずつ袖を抜いて、タンクトップだけの姿にする。
タンクトップの裾をたくし上げて、ぐったりしたニノの肩を通して、するりと体から抜くと、ニノの白い体が俺の眼前に晒された。
なんだろ…見慣れてるはずなのに…
そんな理由で中島くんを帰したんだろうなって、
それぐらいのこと、おいらにも想像つくんだよ…
ニノの寝顔を見ながらぼーっと考えていたら、ニノは少し身じろぎして、目を開けた。
「…大野さん?」
「あ、これ、体拭いてやろうと思って…」
俺が、持っていた洗面器に目を落として呟くと、ニノは寝たまま弱々しく微笑んだ。
「ふふ…サービスいいね…大野さん…」
「昔、風邪ん時、母ちゃんがしてくれたから…」
俺は洗面器をベッドサイドの小さなテーブルの上に置いて、熱湯にタオルを浸して固く絞ってから、ベッドの傍らにしゃがんだ。
「ちょっとだけ、起き上がれる?」
「ん」
ニノは中島くんにしたみたいに、俺に向かって両手を広げた。俺はニノの背中に腕を入れて抱き起して、その額を自分の胸に寄りかからせた。
ニノは目を閉じて、腕をだらんと身体の横へ投げ出す。その背中を片手で支えながらもう片方の手で、ボタンの外れたシャツを開いていった。
片腕ずつ袖を抜いて、タンクトップだけの姿にする。
タンクトップの裾をたくし上げて、ぐったりしたニノの肩を通して、するりと体から抜くと、ニノの白い体が俺の眼前に晒された。
なんだろ…見慣れてるはずなのに…
すげぇドキドキする…
慌ててニノをまた俺に寄りかからせると、用意しておいたタオルで、その背中を拭いてやる。
ニノは額を俺の肩にくっつけたまま、「気持ちいい…大野さん…」って小さく呟いた。
「き、気持ちいい?ニノ」
「うん…キモチイイ…」
ニノは俺の顔を見上げた。
…う。
ああもう、やっぱり、熱あるせいかめっちゃ目ウルウルしてる…
もう…どうすりゃいいんだろ。
男だけど…
もう、知りすぎるくらいニノは男って知ってんだけど…
見ただけですべすべだってわかる肌でくっついてきて、
熱のせいだけど赤い顔して、
慌ててニノをまた俺に寄りかからせると、用意しておいたタオルで、その背中を拭いてやる。
ニノは額を俺の肩にくっつけたまま、「気持ちいい…大野さん…」って小さく呟いた。
「き、気持ちいい?ニノ」
「うん…キモチイイ…」
ニノは俺の顔を見上げた。
…う。
ああもう、やっぱり、熱あるせいかめっちゃ目ウルウルしてる…
もう…どうすりゃいいんだろ。
男だけど…
もう、知りすぎるくらいニノは男って知ってんだけど…
見ただけですべすべだってわかる肌でくっついてきて、
熱のせいだけど赤い顔して、
至近距離で、「気持ちいい」とか囁かれて…
これで、平静でいられる男がいたら会ってみてぇよ…
「えと、ニノ…正面も拭いてやっから、一回寝て?」
これ以上、そんな瞳で見上げられたら、自分が何をするかわからなくて、怖かった。
これで、平静でいられる男がいたら会ってみてぇよ…
「えと、ニノ…正面も拭いてやっから、一回寝て?」
これ以上、そんな瞳で見上げられたら、自分が何をするかわからなくて、怖かった。
ドキドキいう胸を無理やり押さえ込んで、俺は急いでニノを引きはがす。そのまま仰向けにベッドに寝かせた。