Side N
大野さんとする キ ス が、すげぇ好き…
伏せられたまぶたと長い睫毛にドキドキして、やわらかい 唇 が 気持ちよ くて、あったかくて安心して、入り込んできたら、すげぇや らしく動いて俺を あ おって…
でも、大野さんと キ ス し ただけで、俺の 身 体 に起こる 変 化 が、今日は俺の心を締め付ける。
大野さんとだったら…
キ ス だけでこんな感 じるのに…
触 れあっ てる 肌 が気 持ち よくて、もっともっとって求めてしまう俺に大野さんはいつも笑って、俺が欲しいものをくれる。
俺は、大野さんがくれるものしか欲しくない。
他の奴と…なんて…
大野さんが、俺の 反 応 して しまった 身 体 を 口 付け で追 いつめる。
こんな…ことも、
この人だから、
こんな…気持ちよくて…満たされて…
もっと好きになって、
この人だから、
俺の身体で、満たしてあげたい…
この想いは、
きっと
これからもずっと、そう…
俺の 耳 に、大野さん の 立 てる ぴ ちゃ、ちゅ、って音が届いて、 身 体 がどんどん 熱 くなる。そのまま 波 に飲 み こまれそうになったから、繋いでた手をぎゅっと握った。
「待って、一緒に…」
「ん」
大野さんは顔を上げて、俺を見つめて、にこっと笑う。
「待ってね」
彼はゆっくり、ゆっくり、俺の 身 体 を 開か せる。指 が優しくて、何の 抵 抗も なく、俺の 準備ができて…
「いくね、ニノ」
「あっ…あぁあ」
その瞬間、つ らぬか れる 熱と 衝 撃に 俺は酔った。
優しく揺 さぶられて、顔を見つめたら、大野さんは 息 を 乱 しながらも、ふっと微笑んだ。
ヤダ…
失いたくないよ…
そばに、いたい…
「ニノ、どした?痛い?」
突然心配そうな声の大野さんに頬をなでられて、自分が泣いているのに気づいた。
慌てて首を振る。
「や……よすぎて……嬉し泣き」
必死で作った笑い顔で言うと、大野さんは眉を寄せて困った顔になった。
「そんな顔で、泣かないでよ…なんか、逆に…めちゃくちゃにしたくなっちゃう…」
俺は 手 を 伸ばして彼の 頰に触れた。つ ながった 身 体 が自分 の 熱 におののいてるみたいに震えた。
「して…大野さんのこと以外…考えられなくなるくらい…」