付き合い始めの頃
夫は「食べ物の好みが同じだ」と
私の料理を喜んでくれた
週末にしか会わないので
会えた時には、私も食べて喜んでもらいたくて
下手なりに頑張っていた
一緒に暮らしてからは
あまり言葉にしてくれることはなくなった
お代わりをたくさんする時は美味しかったんだね
好みじゃない時は、一口だけしか食べてくれなかった
テレビを観て思い出した
アクアパッツァを初めて作ったときに
「美味しいな。これ、また作って」と
喜んでくれた
閉店間際のデパートで鯛のアラを買って
いつもは潮汁にしてたんだ
夫が大好きで、最後には汁にソーメンを入れて食べてくれた
たまには、趣向を変えてと作ったのがアクアパッツァだった
すごく嬉しかったのに
あれから作ってあげていなかった
そのまま、彼はもうアクアパッツァのことなど
忘れてしまったかも知れない
今、目の前に出してあげたら
「何これ、美味しいね。また作って」
初めて食べたような顔をするかも知れない
まだ作る気になれないな