さてさて。ローン審査には通ったし、土地の購入も順調に進んでいる。
「どんな家にしよう〜!?」
夢は、広がる。
「やっぱり中庭が欲しい!」
「平屋がいい!」
「アウトドアリビングなんてどう?」
「アジアンリゾートホテルみたいなのは?」
等々…。ここぞとばかりに、いろいろ出てくる出てくる。
相方はもうこの時点で、ハウスメーカーは、県民共済さんと決めている。
「県民共済は安いけど、オシャレな家とか提案してくれないから、良い家建てたかったら、自分でいろいろ調べて勉強しなきゃダメなんだよ」
と、彼は言う。
ちなみ彼は、既に1回、県民共済住宅で家を建てたことがある。つまり前の結婚で(苦笑)。経験者なんである。
「わかった! 勉強するよ!」
と、私。
経験者の言うことには素直に従うのだ。
とりあえず、ネットで、住宅に関していろんなことを調べてみる。そうすると、いろんなタイミングで
「無料カタログ請求しませんか?」
と聞かれるので、片っ端から請求する。
私は紙の本が好きなので、図書館にも行く。
お目当ては「風水」関係。
だって、縁起のいい家にしたいから。
20年前くらいだったか、風水がとても流行ったのを覚えている。
私も、お財布の色や、部屋に置く小物の色を気にして、運気アップを願っていたものだ。
あの頃はアパート暮らし だったけれど、今回は注文住宅だ!
そもそもの家を作る段階から、縁起のいい環境作りができるんだ!
なんて張り切って、風水やら家相の本を、ひととおり読んでみた!
……のだけれど、途中から、なんか少し嫌な気分になってきた。
それは何故か?
アレはダメ、コレはダメ、という、ダメが多すぎるのだ。
しかも、なんか、書いてあることが怖い。
「鬼門(東北の方位)に玄関やトイレがあると病人が出る」
「北に玄関があると幸運が入りにくい」
「東南に欠けがあると商売が不振になる」
等々。
そして私的に衝撃だったのは、なんと、もう何年も憧れ続けていた中庭が、風水家相的には大凶だったということだ。
え〜、ウソ…。知らんかったよ。
なんでも、家の中心は、家族が集まる温かい空間にするべきなので、そこが庭という欠けた部分になると、家庭内が冷めきった状態になったり、内臓疾患など体調不良に見舞われるとのこと。
ひぇ〜!
中庭のあるお家で幸せに暮らすつもりだったのに!
夢が、見事に打ち砕かれてしまった!
ここで涙の一句。
憧れの 間取り 風水では 凶相
じゃあ、風水的に良い間取りはどんなものか!?
本の中では、良い例ももちろん挙げてるんだけど、その間取り、全然ピンとこない。
ワクワクの要素いっこも無しで、ときめかない!
大体こういう間取りの本って、夫婦2人に子供2人くらいの一般的な家庭向けだから、そもそも私にはピンと来なくて当たり前なんだけども…それにしても、なぁ。がっかり。
それでも気を取り直して何冊か読み比べて考えてみると
「まぁ、この風水家相が言ってることも、一理あるかな」
と思えることも出てくる。
たとえば
「T字路や直線道路の突き当りとなる土地に建つ家は凶。道路から向かってくる邪気がまともに家の中に入ってきてしまう」
というのは、わかる。邪気というか、車が家に突っ込んできたら危ないもんね。
「高速道路が家のすぐそばを通っているのは割脚殺と言って凶」
そりゃ高速道路が家のすぐ近くに通ってれば、騒音や排気ガスが気になるだろう。
「家の正面にネオンなど光り輝く看板があるのは、光殺と言って凶」
これもわかる。
家の前にネオンを出しているような店があったら、夜中になっても眩しかったり、うるさかったりして、睡眠を邪魔される可能性があるからね。
「家の形はなるべく張りや欠けのない、正方形か、長方形が良い」
というのも、まぁ、わからないでもない。
昔の家は、今の家に比べてずっと技術のない中で建てていたから、変な形をしていたら構造的にもろく、ちょっと大きい地震が来たら簡単に崩れてしまっただろう。
トイレの位置がやたら「凶」に結びつきやすいのも、まぁ、わかる。昔のトイレはみんな汲み取り式だったから、湿気て、臭かったからね。空気中の菌も多かっただろう。
家の強度も、耐熱性も、トイレの清潔さも、昔と今では全然違う。
だから現代の家作りにおいては、風水家相はさほど気にしなくて良いんじゃないかな、と私は個人的にそう思った。
「気の流れ」にものすごく敏感な人は別として、そうでない人は、風水も家相もそんなに気にせず、自分がワクワクするような家を作ったらいいんじゃないかな?
と言いつつ、できれば風水家相的にも縁起のいい家にしたい…と思う自分もいる。
なかなか悩ましい問題なのである。