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昔、災害により発生した、ガレキの山を見たことがある。
その時点で災害発生からはそこそこの日数が経過していたが、ゴミ処理が追いつかず、ガレキもそのままになっていた。
山の大きさに、私は圧倒された。
財産だったはずの家や家具が、見向きもされないただのガレキになってしまったのかと思うと、たまらない気持になった。
風のある日は、その付近の砂ぼこりがすごいので、歩くときはマスクを、車で通る際は窓を閉めて通るようにわれた。
ただの水ではなく、糞尿などの汚水が乾いてほこりになっていることもあるから、感染症予防のためにも気をつけて、ということだった。
それは、その近隣に住む人から聞いた話だった。
医学的に正しいのか分からなったが、だからこそそれを聞いた私も、余計に不安になったことを覚えている。
災害ゴミは、家々から少し遠い場所へ集められてはいたが、そうでなくても道路の脇や畑には、「清潔ではない乾いた砂」が積もったりしていたそうだ。
水も土砂もすっかり引いているのに、近隣に住む人は安心して窓も開けられらないだろう。
自宅を無くした人はもちろん大変だが、家が残った人であっても、この地で暮らすというだけでこんなに苦労が続くのかと思った。
「想像」するだけでは限界がある。
自分の目で見て、聞いて、想像ではなく「実際に知る」ことでできることがあると思う。
ガレキの山を見た当時の私は、それでも何も動きはしなかった。
けれど今は、あのガレキを思い出して、「微力ながら」という思いをもって、ほんの少しでも動けるようになった。
「知る」ことによって、今すぐではなくても、時間が経ってから何かに繋がることはきっとあると思う。
だから、寄付やボランティアじゃない、 ただ「ニュースを見て知る」ことだけでも、それもまたたしかに、今「私たちにできること」に違いないと思う。
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