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大学生時代、安アパートで一人暮らしをしていた。
部屋は一階、オートロックはなく、頼みの綱は玄関チェーンのみである。
そこへある日やってきたのが、大手新聞の勧誘員だった。
インターホンが鳴ったので、チェーンをかけたままの玄関扉をとりあえず開けた。
そうしたら、相手の顔より先に見えてきたのが相手の靴の先である。
私の開けた玄関が閉められないよう、相手は隙間に靴を滑り込ませたのだ。
話を聞く前から嫌な予感しかしない。
警察呼びますよ
と言いたくなったが開けてしまったので仕方ない。扉の隙間からざっと話を聞いたところ、有名新聞の勧誘。2週間お試ししませんかと。
しません!
どう断っても帰ってくれない。何十分経ったろうか。
玄関の隙間に挟んだ靴をジリジリと寄せてこられ玄関チェーンはもう千切れそうだ。
いや、金属製なので千切れはしないだろうが、オンボロアパートだったのでチェーンが根本から外れる可能性はある。
そういう不安が頭の中をぐるぐる駆け巡るくらいに、相手は風貌の悪いいかにも怪しい男で、こちらは19歳一人暮らしの若くて可愛い女子。
何かあってからでは遅い!ので苦肉の策に出た。
嘘をつくことにしたのだ。
「もうヨソの◯◯新聞取ってるから要りません!」
言ってやった!
そしたら、「新聞取ってる」の「て」の字を言ったあたりで相手がキレた。
玄関扉をバシーン!!とすごい勢いで閉められたのである。呆然だ。
万が一私の手でもそこにあったら指が飛んでたところだ。
他社の名前出したくらいでキレんなやドアホ
と私の中にある精一杯の悪い言葉を使って悪態ついたが、心の臓はドキドキ破裂するほどだった。
怖かったな…
玄関チェーンが無かったら居座られて死んでたと思う。
以来あれだ、訪問営業を断るのに、ウソでも他社名だけは出さないように気をつけている。
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