6年前に自宅を新築しました。ローン総額は2800 万円です。
家づくりを経験してみて、当たり前のことだけど想像以上だったと面食らったのが、家の設備のなんにでも、とにかくすべてにお金がかかるということです。
中でも一番動揺したのが、庭の砂利の代金でした。
コンクリートならまだしも、ただの砂利、ただの石ころにもお金がかかるなんて!
田舎の、小石にまみれた山の中で私は生まれ育ちましたから、成形されているとはいえただの「石」にお金を払うというのが本当に衝撃的でした。
これを経験してからというもの、道を歩いていても、どこかの家の砂利がポロッと転がっていると、どこの家の砂利だろう、こんなところにあなたの大事な財産が落ちていますよ!と、知らせたい衝動に駆られます。
お隣さん宅の砂利についても言わずもがなです。
子供達が遊び、庭の砂利や砂場の砂なんかが散らかって減っていくと、ほんまにごめん!石が!砂が!(つまりお金が!)どっか行ってもうた!!!と非常に申し訳ない気持ちになります。
砂利ではなくコンクリートの場合でも勿論同じです。
住宅街の細い道で、前から来た車を避けるために、自分の自転車タイヤが他人の敷地にちょっとかかりそうになったりすると、
「こういうことが積もり積もって、他人のせいで自宅コンクリートが割れたりするのだ…(だから車は避けねばならぬが人の敷地には絶対に足を踏み入れてはならぬ…)」
と、これまで以上に徹底的に気をつけるようになりました。
塀や柵、庭土だってそうです。とにかくどんな些細なものでも、家主はすべてにお金を払っていて大事なものであるのだということが、自分で家を建てたことでやっと心から理解できました。
私がどこでも好きに車を停められるような田舎の実家暮らしのままだったら、ちゃんと分かる日は一生なかったかもしれません。
とにかく何にでもお金がかかる「家」。マンションでも一軒家でもみんな頑張って手に入れた組として、「ローンが」「支払いが」とかいう話を聞くと、私はその人と同志のような気持ちになります。
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