
私は諸事情により、現在働いている会社をこの4月から休職しています。
独身時代に正社員として入社し、産休育休を経て、3月までは時短パートで働いていました。
時短でしたので、フルタイムワーママの忙しさほどではありませんでしたし、仕事復帰する前の家で一日育児していた時の方が精神的には辛かったです。
それでも毎日のスケジュールの中で唯一休憩できるのは、往復の電車通勤時間だけでした。
車内で読書したり、無心にスマホゲームをしたりしていました。専業主婦も選べましたが、私は仕事が好きなのでワーママになることを選びました。
分刻みで過ごす日々の中で一番こたえたのは、「絶対に残業できないこと」です。
冗談ではなく1分でも会社を出るのが遅れると帰りの電車に間に合わず、子の迎えができませんでした。
我が子は園バスで遠方の幼稚園に通っており、迎えのバス停にもし保護者が来ていなかった場合、子はそのまま幼稚園にバスで戻ります。
その後当然保護者は幼稚園まで直接迎えに行く必要がありますが、もしそうなると我が家の場合、私が片道1時間半の電車乗り継ぎ、往復3時間かけて幼稚園へ行かねばなりません。
それだけは絶対に避けねばならず、自分のミスのせいで仕事が伸びようと、顧客への返事が途中だろうと、すべての仕事をほっぽり出して同僚に残務処理をお願いする必要がありました。
優しく親切な同僚に恵まれていましたが、毎日毎日、幼稚園からのお迎えコールと帰りの電車時間を気にしながら仕事をするのは、精神的にかなり堪えました。すみませんすみませんと謝りながら仕事をする日々です。私は仕事が好きで残業も厭わず人一倍働くタイプでしたので、時短という働き方はかなりキツイものがありました。絶対にミスができないという緊張感で、僅か数時間の勤務でしたが帰りの電車ではヘトヘトになっていました。
ある日、主人が有給休暇を取り、幼稚園の迎えを任せられる日がありました。その日はたまたま私の誕生日でした。今日ばかりは私も時間を気にせず好きに働けると、誕生日プレゼントをもらえたようで喜んで出勤しましたが、夕方3時半頃に、仕事中の私の携帯に幼稚園から着信がありました。
「お迎えにどなたもいらっしゃらないんですが、お子さんを園に戻して良いでしょうか?」
主人に慌てて電話したところ、なんと主人、迎えに行かず家で寝ていました。うっかりウトウトしてしまった、そうです。
園バスがバス停で少し待機してくれたことで事なきを得ましたが、幼稚園には平謝りで、私はこんな日ですら誰かに謝らなければ仕事ができないのかと号泣し、その日その後はもう仕事どころではありませんでした。
幼稚園とは信頼関係が命です。PTAにもろくに参加できない身でせめて幼稚園に迷惑だけはかけまいと、私が身を削ってノーミスで仕事をし、毎日毎日同僚にも謝りながら定時に仕事を切り上げて「遅刻なし」でお迎えできていたのを、たった一度だけ迎えを頼んだ主人が簡単にぶち壊してくれた、と私は泣いて訴えました。
そして私は、主人が有休で迎えができるという日でも落ち着いて仕事ができなくなり、結局残業せずに定時に上がり、自分でお迎えに行くようになりました。
ワーママだからすごいとかフルタイムだからすごいとかそういうことはありません。ワーママでも専業主婦でも、「自分のやるべきことに責任を持って向き合っている」人がすごいのです。自分のやるべきことというのは会社仕事だけではありません。家事も育児も介護も「やるべきこと」です。
それを毎日毎日、限られた時間の中で工夫しながらこなしている、子あり子なしに関わらず、老若男女に関わらず、私は頑張っているぞと胸を張って言える人こそが素晴らしいのです。
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