「オープン・ソリューション社会の構造」国領二郎
■日本の将来にとって産業の高付加価値化が必須の条件であることは異論の余地がないだろう。
■分散型の仕組みを主にすえたいのは、それが国民一人一人の能力とイニシアチブを引き出す構造を提供してくれるからである。
■今日の情報技術の最大の特徴を挙げるとすると、情報を発信するコストを下げることによって広く面的に散らばっている「場面」の情報を拾い上げて大勢で共有しやすくしたことといっていいだろう。
■NxN型の情報ネットワークが社会的に大きな意味を持つのは、それが今まで組織や社会の隅で力を発揮できていなかった人間の能力を発掘したり、孤立してチカラを発揮できていなかった人間が同士を発見したりして横に繋がり大きな力を生み出すことが出来るようになるからだ。
■情報そのものは価格メカニズムになじまない性格を持っている。すなわち、情報には1追加一単位生産して配布するコストが限りなくゼロに近づきつつある、2他社に伝達しても自分の手元にも残る、3共有して他者の持つ別の情報と組み合わせることで価値が高まる、4同じ情報をより多くの人間が持つことで価値が高まるなど、物財にはない特性がある。
■価格メカニズムが機能するためには、1排他的所有権が成立する、2供給量が増えるに従って収穫が逓減するという前提が必要なのだが、情報についてはどちらも当てはまらない。情報を排他的に所有しようとすると、情報共有したり他の情報と結合させたりして価値を増大させる機会を失ってしまう。
■価格メカニズムが情報価値を生み出す共同の調整メカニズムとしてうまく機能しないという現実の中で、我々はいかにして情報社会における共同の誘引と貢献の構造を作っていくかという課題に直面している。
■収益は何らかの希少性に必ず依拠している
■PCの能力が爆発的に大きくなったことで能力を常時100%使っているマシンがなくなりつつある中で、相互に空き容量を供出することによって、いざ大きな能力が欲しいユーザーには大きな資源が機動的に割り当てられるようになる。
■情報の生むビジネス価値はおおむね二つに分類される。1効率化、多くの経済システムにおいて情報が偏在していることによって無駄が発生している。これを情報技術によって解消することで、費用が節約される。Exトラックの運送、往復。2需要創造、情報技術は多様な人々の創造的な力を結合して、増大させるところで需要創造に寄与する。モジュールの結合という携帯の値の融合や、企業内におけるナレッジマネジメントなどによる値の創発現象などを如何に演出して新産業を生み出していけるかが鍵になる。
■プラットフォームとは企業や個人がネットワーク上で情報価値の清算を行うための場と考えてより。そしてこの場の設計こそがオープンネットワークが潜在的に持つ、面的に散在する多様な値を結合して価値を生み出す可能性を実現するために決定的に重要である。
■共同を成立させるプラットフォームには様々な機能が要求されるが、大きく分類すると、メンバー間に共有されるべき言葉を提供する、信頼関係を構築する、誘引が働く構造を提供する、の3つが挙げられる。
■消費者発情法は、企業の側で提案した商品をめぐって行われるものが殆どで、全くオリジナルの商品アイデアが消費者側から発案されることはあまりない。基本的な消費者と企業の構造は変わっているわけでない。
■ネットワークの支店からは、バーコードは分断されていたものの世界と情報ネットワークの世界を結ぶ接点となり、インターネットが情報にもたらしたのと同じような便益を者の世界に適用し、より利便性の高いサービスをより効率的に消費者に提供させることに成功したといえる。
■情報において収益問題がことさらに問題になるのは、収益が上がらないことで情報価値を生産して提供する誘引がなくなってしまうことが懸念されるからだ。
■デザイン(設計)アプローチ:課題を解決することを目指す、総合(synthesis)、時間制約下での最善解探索。科学アプローチ:理解することを目指す、分析(analysis)、最適化志向