金子みすゞさん

この詩。心に染みる。



『私と小鳥と鈴と』

私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のように、
地面(じべた)を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のように、
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。



このフレーズいいよね。

『みんなちがって、みんないい』



よく言う『多様性』とか

『ジェンダーフリー』とか

『ダイバーシティ』とか

『みんなちがって、みんないい』と同じ

ように感じるけど、実は大きく違う。



さっきの仰々しいお言葉たちは全て

中心は『人間』

もっと言えば中心は『私』



でも上の詩では

『鈴と、小鳥と、それから私



題名では『私と…』って最初に来てるけど

文中では、順番が変わって最後が私。



この地球上に生きる全てのものと

私は同じレベルで一緒に生きてて

みんなちがって、みんないい

って全てを受け入れてるんだよね。



今からおよそ100年前の1930年に

26歳という若さでこの世を去った金子みすゞは

今のこの世を見てなんと言うでしょう。



僕たちって、なんだかんだ言って

『私』が一番前で、みんなと同じで

みんないいなんて心から言えるでしょうか?



前にも書いたけど

世の中の全ての人間が幸せになるなんて

夢の世界だとは思うけど

ほんの少し、本当に少しだけでも

『みんなちがって、みんないい』

そうやって思える人が増えたら

優しい世界になりそうだけどな。。。