本当に人それぞれで

同じ病気の人でも症状の出方や進行速度や

発症年齢や性別や年齢も様々。



神経線維腫症II型(指定難病34)


左右両側に聴神経腫瘍(正確には前庭神経鞘腫)が発生する遺伝性疾患です。脳神経・脊髄神経・ 末梢神経 に神経鞘腫、頭蓋内や脊髄に髄膜腫など多数の腫瘍が発生します。


引用:https://www.nanbyou.or.jp/entry/123



昨日半年ぶりの病院で脳神経外科と耳鼻科の

主治医と話が出来たので改めて振り返り。



まずこの病気は左右両方にある耳の奥の奥の

聴覚神経の部分に腫瘍が両方に出来ることが

確定要因とされています。片方だけでは

この病気にはなりません。



ただ前述の引用にあるように

『遺伝性疾患』なので

どちらか片方にしか腫瘍がなくても

親、子供、兄弟姉妹にこの病気の人がいれば

診断は確定するみたいです。



僕の場合の病気が確定までの道のりは…


2017年だと思うけど…

・仕事中に左耳の聞こえが悪くなってきたと

自覚して違和感を感じるようになる

        ↓

・近所の耳鼻科を受診

多少の聞こえの低下や耳鳴りは加齢とともに

よくあることで対処としては、その事を

気にしすぎないようにすること

        ↓

・仕事のストレスもあったので

『仕方ないよな』と納得する

        ↓

・聴力の低下や耳鳴りもあったが

あまり気にせず自分を奮い立たせる

        ↓

・聞こえの良かった右側も耳鳴りがして

これはいよいよヤバいかもとめまいや

耳鳴りの評判がいい別の耳鼻科を受診

        ↓

・原因分からずメニエールの疑いと言われ

薬を処方されるが、服用しても一向に

良くなることもなく不安な日々

        ↓

・最初にかかった耳鼻科を再度受診すると

聴力低下も大きいため念のために

脳神経外科の受診を促され紹介状を

        ↓

・脳神経外科で検査の前の診察で医師に

『耳鳴りなんて誰だってあるよ。

気にしないでいる方がいいよ』と言われ

やっぱりそうなのかな…と思いながらも

MRIで検査をする

        ↓

・看護師から医師からの話があるが

時間がかかるため昼食を済ませて午後に

再度来院するように言われる

        ↓

・なんか不安になるけど適当に昼を済ませ

再度病院に行くと看護師に

『ご家族の方に癌や脳腫瘍になられた方は?

ご自身の身体にカフェオレ色のアザは?』

などと質問されるが心当たりがないと。

        ↓

・午前中の医師ではなく他の医師から

『実は脳腫瘍が見つかりました。

しかも左右両方の聴覚神経のところに。

このような症例の場合、函館では対応が

難しく別の病院の紹介となる…

        ↓

・札幌にある大学病院の脳神経外科を受診

        ↓

・その後色々あって今に至る…

(詳しくは何度かブログにも書いてます)



ちょっと長くなりましたが

病気だと分かるまでにずいぶん遠回りをして

ようやく辿り着いた感じでした。



これは後から知ったことですが

この北海道には『神の手』と言われる

脳神経外科のスーパードクターが複数いて

いずれもテレビやメディアでは有名で

奇跡的な回復も数多くあるって。



この病気の事を知った時はかなりショックで

まずは自分がいなくなった後の家族のことを

心配したり、愛する娘に自分の病気を

遺伝させているのではないか…とか

不安で泣いてばかりいました。



嫁さんも必死に色々調べて

今はアメリカにいる『神の手』の1人に

なんとか連絡がつかないかと手を尽くし

アメリカのその医師の秘書から連絡があり

僕の状況の説明をメールしたりしました。



ありがたい話です。

なんとかして『治してあげたい』という

気持ちが嬉しかった。



でも…僕は…

『神の手』の手術を選択しませんでした。



なぜか?



それは…手術をすれば高い確率で

聴こえなくなることが確定するから。



たとえ『神の手』だとしても…



今は転院してますが

当時通っていた病院の主治医も

積極的に手術を…とは勧めませんでした。



それは僕がもっとも恐れた

『聴こえなくなる』のがほぼ確定するから。



僕は『聴こえなくなる』というリスクを

なんとかして避けることができないかを

必死に考え、嫁さんにも説明しました。



『〜していたら…』

『もし〜すれば…』

たら、ればの話をしても過去に

戻れるわけでもないので意味ないけど

『もしあの時、手術していたら…』

『嫁さんの言う通り、手術すれば…』

って考えないわけではないけど

これまでなんとか生きてきて

補聴器の世話にはなってるけど

なんとか今のところ会話もできてます。



昨日、両方の主治医から言われたのは

『大きい方の腫瘍がこれ以上大きくなり

脳を圧迫するようであれば聴こえは諦め

命を優先するために手術が必要。


でも、今のところ増大もなく落ち着いており

出来る限り引き延ばせるのなら

このまま何もしないのが一番いい。』



僕もそう思ってます。



積極的な治療が出来ないのは歯痒いし

後ろ向きにも思えるけど

これが今の僕に出来る最良の選択。



そんなふうに思ってます。



後から後悔するかもしれないけど

今はそれで行くしかない。

って感じです。