{4AB05EB8-9A0B-4D93-81B7-21170C5D60FE}


もう一つ、北海道に憧れた理由として
自分の生き方ができるかも思ったから。


当時(僕が30歳の時だから20年以上前)の
名古屋空港はまだ小牧にあって
妹とその子供2人と母親に見送られ
飛行機で札幌に飛び立ちました。


飛行機の自分の席に着き、離陸が始まると
もう二度と帰らない、帰れないと思いで
涙が溢れて仕方がありませんでした。


そんな思いをしてまで、知り合いもいない
北海道に来る決意が出来たのは
新しい地で、自分の生き方が出来るように
なるはずという漠然とした思いだけ。


『酪農をやりたくて』が直接の理由でなく
自分で搾った牛乳を使って、自分の手で
作ったチーズで、料理を作って…と
『本物の美味しいチーズを』という
方向からのアプローチだったのです。


今ではそんなに珍しくなくなったけど
本物のイタリアのモッツァレラは乳脂肪分の
高い水牛から搾った牛乳で作られており
濃厚な味わいが特徴。

{8F455E2C-D778-4C3D-B642-7D0D83B12E42}


ピッツァやオリーブオイルにぴったりの
美味しいモッツァレラを作りたいという
夢があったから決断できました。


千歳空港に着いて、すぐに稚内空港まで飛び
そこからバスに揺られて到着したお世話に
なった酪農家のお宅。


想像した『広々とした草原』とはイメージが
全く違っていたけど、隣の家まで少なくとも
車で行かないというくらいの距離感には
北海道らしさを感じました。


実際に酪農の実習生という名の
従業員(無給でしたが)として働いてみると
初日で生易しい世界では無いことは
わかりました。


ヘルパー制度があるとはいえ、基本的に
年中無休だし、牛の出産や病気があれば
昼も夜も関係なく作業があります。


実習に入って一週間もしないうちに
『しまった!失敗した』って帰りたくて。


でも、涙で飛び立った名古屋に、わずか
数日でノコノコと帰ることはできないし
第一、何もかも処分した決意を無駄に
したくなかったので恥ずかしい話ですが
泣きながら我慢していました。


そんなで始まりの北海道生活のスタート
でしたが、普通に考えたら嫌いになっても
不思議は無いほどのインパクトがあったけど
それでも北海道を愛してやまない理由は
また書きます。