母が出て、私に、と云う事だった。
私は渋々、受話器を受け取った。
自分でも“あれ…?”と思う程に低い声だった。
いつもに増して抑揚の無い暗い声で電話に出た。
相手は丸で文章を読んでいる様な喋り方だった。
此方の出方を窺う様な、ぎこちない腰の低さだ。
私は終始、同じトーンで受け答えた。
兎に角、答えるのが面倒だった。
そろそろ気分を害してキレるかなとも思ったが、
最後まで下手な腰の低さのまま電話は終わった。
知らない人との電話で
あそこまで感じの悪い態度を取れたのは初めて。
やれば出来るじゃん私

いつも楽しく無いのに本音を偽っているから。
あんな態度も出来るんだなと思ったのだ。
肝心の電話の内容は、
老後の為に今から不動産やらんか、
とか云う的外れなものであった。
は?と思った。
年金にも期待は出来ないし、
老後の備えは必要だと思いますよね?的な。
ハッキリ云って如何でも良い。
考えてますよね?、と訊かれても答えはNOだ。
私は早く死にたいし老後なんて考えていない。
流石に、そこまでは云わなかったが、
適当に“そうなんでしょうね”と云った。
まるで他人事だ。
何て無駄な電話。
どうせ詐欺だろうし引っ掛かる奴は莫迦だ。
だいたい、あんな下手糞なマニュアル電話で
よく恥ずかしげもなく他人に電話出来るよな。
私より下手な喋りで電話してくるなよオッサン。
私以下の人間なんて、そうそう居ないのにな。
あーホント私って性格悪いですよねwww
はいはいワロスワロス( ^ω^)