《おはようございます。お元気ですか。どうです。久し振りに、飯でも一緒にどうですか? あ、この前のうどん弁慶では奢って頂きましたので、今度は私が奢りますよ。日にちは最上先生のご都合に合わせますので、都合のよい日をご連絡下さい》
その日の朝九時頃、友人の最上聖(もがみ・ひじり)にメールを送った芦田康輝(あしだ・やすあき)は、市民総合病院の待合室で、診察案内表示システムのディスプレイに、目をやった。
受付番号は33番。最初の患者が12番なので、二番目に呼ばれる訳だが、九時を回っても、最初の患者の呼び出しがまだ無かった。
何かの関係で、先生が遅れているのか、急患でも入って遅れているのか。その理由は、芦田には分かる道理も無かった。
すると、胸ポケットに入れておいたスマホが、バイブで震え始めた。
手に取ると、最上からの返事だった。
《芦田先生、お誘いありがとうございます。では、都合の良い日を調べて、折り返しメールさせて貰います》
(よしよし、先生も乗ってくれたか)
芦田が軽く微笑んだと同時に、ピンポーンという音がして、診察案内表示システムの画面に、『12番の患者様、23番診察室にお入り下さい』、と表示され、若い女性の患者が、入室して行った。
《先日のお誘いですが、お断りします。この世の煩わしさに嫌気が差しており、誰とも関わりたくないんです。先生のお気持ちはありがたいのですが、芦田先生にも、電話もメールも下さらない様、お願い致します》
翌朝、最上からのメールを読んだ芦田は、顔をしかめながら、ため息を吐いた。
最上先生かなり苦しんでいるなあ。
芦田は、スマホをテーブルの上に置いて、頭を抱えてしまった。
最上は、芦田が、死にたい、とまで悩んだ時も、その悩みを解決出来る様、常に精神的に傍に付いていてくれたのである。
今度は、俺が最上先生の心の傍に、居なければ。
新しく、小説を1編書き始めました。どれだけの物が書けるか分かりませんが、お付き合い頂ければ幸いです。

