適温に設定された室内。
ふかふかのソファ。
それだけで睡眠を誘発させるには十分だけど、そこにクラッシックなんて流すもんだから、
子守唄代わりになってゆっくりと瞼t頭が下がっていく。
「おいコラ。何寝てやがる。」
「もう・・・・・無理・・・・・・。」
「俺様の手伝いがしたいって言い出したのはお前だろ?」
「そうだけど・・・・・・。」
生徒会の仕事なんてダルイし面倒なだけだけど、『跡部と一緒に』ってなるとそれも幸せな時間へと変わる。
ま、簡単に言えば跡部と過ごせるならなんだっていいって事だ。
だからたとえわずかな時間でも、跡部と過ごせるなら・・・・・と思って手伝いを志願したわけだけど、
どうやら睡眠には勝てなかったようだ。
「5分だけ・・・・・5分経ったら起こして・・・・」
「自力で起きやがれ。」
「ムリ・・・・・」
あぁ・・・だめだ。
本当にこのまま寝ちゃいそう・・・・・・・
「涼。」
「ん~?」
跡部の声が近くで聞こえる。
そう思った次の瞬間、ふわりと体が持ち上がった。
「ふえ!?」
「ククッ。どこから声出してやがる。」
「な、何してるの!?」
持ち上げられた体はすぐに下ろされたけど、下ろされた場所は跡部の足の間。
ソファにゆったりと腰掛けた跡部の足の間に私の体がある。
「お前が休むなら俺も休もうと思ってな。」
「いやいや。休むのはいいけど、普通に休んでよ!」
「うるせぇな。俺がどんな休み方しようが勝手だろうが?」
そりゃ勝手だけどさ。
普通に休むなら何も言わないけどさ。
これは恥ずかしすぎるでしょ!?
「あ、跡部・・・・・。」
「ほら、寝るんじゃねぇのかよ?」
「ね、寝れないよ・・・・・こんなの。」
「これ以上最高のベッドはないはずだぜ?」
最高のベッドって・・・・・・もしかして跡部自信の事!?
なにそれ。
超恥ずかしいんですけど!!
「も、もう眠たくなくなった!」
「そうか?なら今度は俺の睡眠に付き合えよ。」
「えぇ!?」
「最高の抱き枕もある事だし、よく眠れそうだぜ。」
「もう・・・・・・許してください・・・・・・。」
湯気が上がるほど赤くなった顔。
バクバクと激しさを増す鼓動。
心臓が飛び出してしまいそう・・・・。
だけど跡部はおかしそうに笑うばかり。
「跡部・・・離してよ・・・・」
「俺は今睡眠中だ。」
「寝てないじゃん!」
「寝てんだよ。」
暴れてももがいても抜け出せないほどの力で抱き締めているくせに、寝てるなんてよく言うよ!
結局、5分経っても10分経っても『跡部の睡眠』は続き、やっと開放されたのは1時間後の事。
言うまでもないが1時間後の私はぐったりで、跡部の手伝いを出来る状態ではなかった。
最高の睡眠は最高の場所で
(跡部の前で、もう絶対『眠たい』なんて言わないと決めた昼下がりの放課後)
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涼さんリク、跡部SS。
甘くてほのぼの・・・・になってるかな?