ブン太SS | 肝っ玉かあちゃんのひとり言

肝っ玉かあちゃんのひとり言

妄想の世界に逝っちゃってるヤツの戯言

「親にお前の見舞い行くって言ったら3000円もくれてさ。ほら、好きなの選べよ!!」



10個近く入ってそうなケーキの箱をキラキラした笑顔で私に見せてくれるブン太。

絶対確信犯だよね?

おばさん達に申し訳ないよ・・・・・。



「いいよ。ブン太食べなよ。」

「なんでだよ。お前の好きなチーズケーキも買ってきたぜ?」

「うん・・・。でも今ケーキ食べる元気なくって・・・・。」



無理やりでも口に押し込んできそうなブン太に、少し辛そうな顔をして答えると

「そっか・・・。なら残したらもったいねぇし、俺が食ってやるな!!」

と、フォークも使わずむしゃむしゃとケーキを頬張りだした。


野生児だな・・・・。


だけどおいしそうにケーキを頬張るブン太を見ているだけで

ほんの少しだけど元気になった気がする。



「ん?なんだよ?」

「いつ見てもおいしそうに食べるなぁって思っただけ。」



ショートケーキとチョコケーキを一緒に食べたら元の味も何もないんじゃないの?って感じだけど

ケーキで口いっぱいにしながらウンウン頷いてるブン太は本当に可愛い。


そんな気持ちが顔に出たのか、自然と微笑んでいた私に、

ブン太は「あぁ~そっか!!」と手を叩いた。



「急に大きな声出したらびっくりするじゃん。」

「わかったんだよ!!」

「なにが?」

「さっきからどのケーキ食っても、うまいんだけどなんか物足んなくてさ・・・。」



あれだけおいしそうに食べてたくせに!?

いまさら物足りないって・・・・。

だけどその後に続くブン多の言葉に、私の熱は急上昇した。



「おかずなしで白飯ばっか食ってると味気ねぇだろ?」

「そう・・・だね?」

「それと一緒でよ!お前の笑顔がないとうまさも半分って事!!」



一瞬意味がわからなくって、クエスチョンマークを浮かべまくりだったけど、

「やっぱお前と一緒に食ってこそだぜぃ!!」とウインクを飛ばされて

それでなくても熱い体温がどんどん上がって汗が滲んできた。



「だから早く元気になって、一緒にケーキ食おうぜ!」



「そんなお見舞いの言葉聞いた事ないよ・・・」なんて言ってみたけれど、

きっと顔はニヤケちゃってるに違いない。


甘いケーキの匂いの充満する部屋の中で、

私はそれ以上に甘い気持ちに包まれていた・・・・・・




甘いお見舞い

    (やっぱりチーズケーキだけ置いといて)

    (あ・・・わりぃ。もうねぇわ。)


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風邪引きシリーズ第4弾。


ブンちゃんはね・・・・ケーキネタから離せないのよ!!ごめんね?ww


おいしいものは、大好きな人と食べるとさらにおいしく感じませんか?

私は仁王と一緒なら、おいしいアイスが数百倍はおいしく感じます♪