~ 年を越す前に・・・ ~
もうすぐ新年を迎える大晦日の夜。
本当ならば大好きな彼と一緒に初詣に行って、一緒に年を越して、
一緒に初日の出を見ようって言っていたのに・・・。
私の隣に・・・・今彼はいない。
何が原因だったかなんてもう忘れてしまった。
そう。それくらい些細な事だったんだと思う。
だけどムキになって言い返す私と、それに溜息を落としたリョーマ。
その姿に私はさらに怒りのボルテージが上がり、
「もうリョーマなんて大キライ!!」
そう言って走り去ってしまった。
大キライなわけがない。
そんな簡単にキライになれるわけがない。
今思えば、なんであんな事言っちゃったのかな・・・?とか
私ってすごい子供だな・・・とか自己嫌悪ばかりしてしまう。
リョーマに逢いたい。
その思いは日に日に大きくなって、何度も電話で謝ろうかとか考えたんだけど、
リョーマから1度も連絡がない事に、不満と不安が入り混じってなかなかかける事ができない。
今頃何をしているんだろう?
もう私との約束も忘れて、桃先輩と一緒に初詣に行ってしまったかもしれない。
それともカルピンと一緒にコタツで丸まって寝ているかもしれない。
ねぇ、リョーマ?
今リョーマの頭の片隅にでも私はいる?
私との約束を覚えてくれてる?
私は今すぐリョーマに逢いたいよ。
一緒に新年を迎えたいよ。
そして誰より1番に『おめでとう』を言いたいよ・・・・・
私はコートを羽織り、寒空に除夜の鐘が響く中、約束のあの場所へと駆け出した。
もうすぐ新年を迎える大晦日の夜。
本当なら瀬那と一緒に初詣に行って、一緒に年を越し、初日の出をみるはずだった。
だけど俺の隣に・・・・今瀬那はいない。
何が原因だったかなんて忘れた。
それくらい些細な事だったんだと思う。
だけど瀬那がムキになって言い返してくるのがうるさくて、思わず溜息を落としてしまった。
その瞬間、目に涙を浮かべた瀬那が
「もうリョーマなんて大キライ!!」
そう言って走り去っていった。
本気で言ったんじゃないと思う。
それくらい俺にもわかるけど、なんだか心が痛かった。
俺の事すごい好きだって全身で伝えてきた瀬名だから安心してたのかも。
あんな風に涙を見せられたのは初めてで、「大嫌い」と言われた事より
泣かせてしまった罪悪感のほうが俺の胸を締め付けた。
瀬那に逢いたい。
その思いは日に日に大きくなって、何度も電話しようと思ったけど、
瀬那からは1度も連絡がないし、妙な不安が俺の手をとめる・・・・。
今頃何をしてんのかな?
もう俺との約束なんて忘れて、友達と一緒に初詣に行ってしまってるんじゃ・・・・?
寒がりな瀬那だからもしかしたらコタツで丸まって寝ているかもしんない。
ねぇ、瀬那?
今瀬那の心の片隅に俺はまだいる?
俺との約束忘れたりしてないよね?
今すぐ瀬那に逢いたい。
一緒に新年を迎えたい。
そして誰より1番に『おめでとう』って言いながら笑顔を見せる瀬那を見たい。
俺は上着をを羽織り、親父がついてるだろ除夜の鐘を背に、約束のあの場所へと駆け出した。
「リョーマ!!」
「瀬那!」
約束の場所を目前に、逢いたいと願ったリョマの姿を見つけた。
もう何も考えるる事無く、名前を呼んでリョーマの胸へと飛び込んだ。
「逢いたかった・・・・・」
「・・・・・・俺も。」
鐘の音に消されてしまいそうなくらい小さな声だったけど、
確かに今「俺も」って言ったよね?
それがすごく嬉しくて、不満も不安も全てがすっ飛んでしまう。
やっぱりリョーマが大好き。
意地を張って会えなかったこの数日で、どれほど自分がリョーマを好きなのか思い知らされた。
「大嫌いって言ってごめんなさい・・・。」
「ほんとだよね。あれ結構傷ついたんだけど。」
「ご、ごめんってば!!」
「本気で悪いと思ってるなら、好きって言ってよ。」
「へ?」
「俺の事本当はどう思ってんの?ちゃんと聞かせてよ。」
そんな事聞かなくたってわかってるくせに!!
「好きって言ってよ」なんて・・・・なんでそんな普通の顔で言えるの!?
改まって言うのはなんか照れるし、しかも期待いっぱいな目で見られると恥かしいよ・・・・。
もじもじと顔を赤らめながら視線を泳がせていると、おでこに柔らかい温もりが降ってきた。
「俺は瀬那が好きだよ。会えない間ずっと瀬那の事だけ考えてた。」
こんな風にリョーマの気持ちを素直に伝えてもらったのなんて初めてかもしれない。
あまり好きとか言ってくれないし、態度だって素っ気無いし、私よりテニスの方が大事そうだし・・・。
頬に暖かに涙が零れる・・・・・
「俺、瀬那の涙に弱いみたいなんだけど?」
「そ、そうなの?」
「でもその涙は悲しいから泣いてんじゃないよね?」
「うん。リョーマに逢えて嬉しいから。リョーマ大好き!!」
さっきおでこに降ってきた温もりが、今度は唇に落とされる。
いつの間にか除夜の鐘は止み、遠くの方で「おめでとう」の声が聞こえていた―――
A Happy New Year
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ありがとう&お正月企画、第2弾!!
瀬那さんリクのリョマ夢でした。
年越しは2人で過ごすはずだったけど、些細なことでケンカ中。
お互い本当は一緒に過ごしたい。でも、言い出せない。
そして、カウントダウンが始まる。
そのカウントダウンと同時に2人の距離も縮まる・・・。
これが瀬那さんからのリク内容です!
どないなもんでしょう?ちゃんとリク通りになってますでしょうか?
リョマ夢は初めてだったんですが、書いててリョマが好きになりました(笑)
瀬那さん。リクありがとうございました!
リョマと素敵な新年をお過ごしください!
そして瀬那さんにとって、素敵な一年となりますようお祈り申し上げます。