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The Sence of Wonder

呼吸器医として、喘息・結核の診療の傍ら、卒煙支援もしています。
二児の母として、妻として、医師として・・・
日常のほんのちょっとした Sense of wonder を発信しています。

20年前の今日、国境の壁が崩壊したとき、
皆さんは何をしていましたか?

そのちょうど18年前に生まれた私は、
高校生活の最後の年を過ごしていました。
歴史的な光景をどんな思いでみていたのか・・・
いまはもう思い出せません。

20周年記念式典では ベルリンで、

U2が無料の野外ライブを行なったそうですね。
壁のあった場所には、子供たちが中心となって描いた
1000
枚の「巨大ドミノ」。
この目で、実際のドミノが倒れる様子を見てみたかったです。

東西ドイツ問題を扱った映画はたくさんありますが、
私の印象に特に残っている作品は、
79回アカデミー賞外国語映画賞に輝いた

「善き人のためのソナタ」
http://www.albatros-film.com/movie/yokihito/

女医・ゆきみんと先生の診察室から

美しいソナタ、そしてエンディング・・
深い余韻を残す佳作です。

上野動物園は、我が家から徒歩圏内。
もちろん、年間パスポートで、気軽にお散歩に行ってます。

夏の暑い時期は、混雑していることもあり
しばし足が遠のくのですが、
涼しくなってきて、娘のリクエストもあり、
久しぶりに行ってきました。

いつも利用する池之端門をくぐるとまず目に入るのは
ベニイロフラミンゴたち。
しばらく前に新しい鳥舎になって間近に見られるようになりました。
開館直後はちょうどえさやりの時間で、
お気に入りのスポットです。

そんなフラミンゴ舎に、周りと違う茶色のフラミンゴが一羽。
ちょっと小さめのその鳥は、
7
30日に生まれた、フラミンゴの赤ちゃんでした!
生まれて間もない頃は白くて小さかったみたい。

そのフラミンゴの両脇には、
周りのフラミンゴより、
色が薄くなり白っぽくなっている鳥が二羽。
どうやら、お父さん、お母さん、フラミンゴのようです。


女医・ゆきみんと先生の診察室から

フラミンゴの赤ちゃんは自分でえさを食べられないので、
フラミンゴミルクという親の体内で出される赤い液体を
口移しに飲ませてもらって、大きくなり、
色も少しずつ赤くなっていくんだそうです。
子どもに栄養と色素を分け与えているので、
子育て中の親の体は白っぽくなるんだと書いてありました。

フラミンゴは、つがいが交代に卵を抱いて、
子育ても一緒にする習性だとか。
なんだか、人間の母乳や子育てにちょっと似てますね~。

ひなを守るように、両側にそっと寄り添う姿が
ちょっと印象的でした。

<ベニイロフラミンゴのひなの成長>
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&inst=ueno&link_num=12475

久しぶりに狭山丘陵を気持ちよく歩いてきました。
映画「となりのトトロ」のモデルにもなった場所です。

自然と文化財の保護運動が30年以上も前から行なわれ、
八国山緑地をはじめとして、雑木林などの自然が守られていますが、
1990
年にナショナルトラストを中心とした活動が始められるまでは
不法投棄が大変多く問題になっていたそうです。

その活動の中心「トトロのふるさと基金委員会」が、
1998
4月に「トトロのふるさと財団」となり、その後
「トトロの森」は、6号地までトラスト取得。
会員の皆さんたちの活動などで、維持管理がなされています。
(活動費は、会費とトトログッズの収益金から)


女医・ゆきみんと先生の診察室から


散策路もいろいろあり、今回は、標高差のないコースを選んだので
娘も、秋の里山歩きを、満喫したようです。

たくさんの秋の草花、虫たち、キノコ、
ヤマガラやキセキレイなどの野鳥にも出会うことができました。

(写真はキセキレイ)

女医・ゆきみんと先生の診察室から


野鳥の鳴き声を聞いたり、姿を垣間見たりすると、
思い出すのは、動物画家の薮内正幸さんのこと。

今年の五月に吉祥寺であった展覧会を見てから
すっかりファンになりました。




そのときから、山梨の美術館を訪ねたいと思っていたのですが、
先日、所要で甲府に行く機会があったので、足を伸ばして白州まで。

「薮内正幸美術館」
http://yabuuchi-art.main.jp/

今年は、開館5周年記念の特別企画展示ということで
「すべてはここから始まった
 ~人生を変えた手紙とイノシシのステンシル」
が特別に展示されていました。

専門的に画を習った事もなく、ひたすら動物が好きで
画を書き続けていた薮内さんは、
子供のころから動物学者の今泉先生と文通を続けていました。
その内容は、主に、自分が観察したり本や切手で見た
動物をスケッチして、専門家の知見を尋ねるというもの。
進路が定まらないまま、看板描きの職人でも目指そうかとしていた、
高校卒業を一ヵ月後に控えた矢先に、今泉先生から一通の手紙が。

「福音館書店で世界一詳しい動物図鑑を作る。
 その挿絵画家として出版社にあなたを推薦したい」

そしてすぐに当時の福音館の編集長であった松居直先生から
「あなたを画家として責任もって育て上げるつもりだ」との手紙が。

その当時、世界一詳しい動物図鑑の挿絵を適格に描けるような
現役の動物画家はいませんでした。

今泉先生に薮内少年が送った年賀状にかかれていたイノシシ。
そのステンシル画を、松居先生に見せ、高校生であるが、
仕込みようによってはひょっとして・・と。
そして、一連の手紙のやり取りとなったわけです。

松居先生は、その後すぐに大阪の薮内少年のもとを訪ねて、
上京に反対だったご両親を説得し、自宅に預かり
後見人となりながら、今泉先生の下に通わせて勉強させます。
そして、薮内さんは動物画家への道を歩んでいく事に・・・。

美術館の館長で、薮内さんのご子息である竜太さんとお話しました。

「この手紙のタイミングが、まさに父の人生を変えたのだと思う。
 もし動物図鑑の出版計画が少しでも遅ければ、
 いい子がいたんだけど、もう働いちゃってとなってたろうし、
 もっと早かったら、いい子がいたけどまだ高校生だから、
 となってたと思う。卒業直前で進路も決まってなかったという
 タイミングの偶然が、父を動物画家に導いた。
 いわば人生を変えた、運命の手紙ですね・・・」

(このエピソードは、追悼集「ヤブさん」にも書かれています)

美術館は、森の中にひっそりとある素敵な建物。
またぜひとも、リピートしたい場所です。

近くの白州名水公園「べるが」のオーガニックレストラン「灯鳥」も
とってもよかった・・。何時間でも過ごしたくなる居心地のよさ。
テラス席まで完全禁煙なのもでした。

http://www.potori.net/

そして白州といえば、もちろんサントリー白州蒸留所。

http://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/guide/

野鳥の森に囲まれた蒸留所の樽貯蔵室では、
ウイスキーたちが、森林の空気をたっぷり深呼吸して、
森の香りが漂う清涼感、ハイボールにぴったりの爽やかな仕上がりに。

白州という土地、とても好きになりました。
小淵沢からも案外近いんですよね。また行きたいなあ・・。