大寒も過ぎて、暦の上ではもうすぐ立春。
春の便りもそばまで来ていますが、寒い毎日が続きますね。
今日は久々に、仕事のお話。
昨日(1月28日)の朝日新聞で、新潟県十日町市の
禁煙授業について大きく取り上げられていました。
12歳、14歳、16歳と計三回にわたって、
喫煙の健康被害についての授業を受ける
「M12/14/16プロジェクト」です。
多くの大人が、未成年のうちにタバコを吸い始めていますが、
最近、特に、喫煙開始の低年齢化が問題となっていて、
ある調査では、小学生の7・2%に喫煙経験があり、
そのうち15・9%が初めて吸ったのは入学前(つまり幼児)と
報告されています。
日本小児科学会の「小児期からの喫煙予防に関する提言」にも
「喫煙予防の教育は幼児期から始めることが望ましく、
家族への喫煙予防の教育も合わせて行うことが望ましい。(中略)
喫煙予防の教育は学年に応じて健康教育の一環として
毎年繰り返し行うことが望ましい。
同時に教職員など学校関係者自身も禁煙に努める必要がある。」
とあります。(http://www.jpeds.or.jp/saisin-j.html
)
家族を含め、私の周りには喫煙者が誰もいないのですが、
娘が2歳の頃、短い棒のようなものを口にくわえて
「たばこ すってるの~」と言ったことがあって
本当に驚きました。そのときの事は今でも忘れません。
子どもたちは大人をよく見ています。そしてまねをします。
だからこそ、できるだけ小さいときから、
タバコついて、繰り返し聞いて
考えてもらう必要があるのだと思います。
禁煙支援者が集まる会でも、このところ、
喫煙防止教育のあり方について、ただ行なうのではなく、
より質を高めるための議論が深められています。
先日、某市で小学6年生を対象とした禁煙教室の様子を
見せていただきました。
大勢の子どもたちが、真剣に講師の話に聞き入っています。
話の流れは、喫煙による健康被害、依存症という病気について、
タバコの本当の姿とそれを売る企業の戦略・ターゲットについて、
タバコを勧められたらどう断るか、
最初の一本を吸わない事がとても大事、
そして、家族や友だちで吸っている人には
(大切な人だから)「やめて欲しい」と伝えよう、
とすすんでいきます。
最後の質疑応答で、子どもたちから出た質問。
「そんなに悪いものなのに、どうして売っているんですか?」
「いい質問ですね。よくぞ、聞いてくれました」と講師。
子どもたちにタバコについて話して、
この質問が出なければ、その講義はむしろ失敗といえるでしょう。
子どもたちは、どのように考えているのでしょうね。
答えは1つではないはず。
タバコがやめられない依存症の大人のため、
財務省というところが税金を集めるため・・・など。
皆さんなら、どんな風に答えるでしょうか。
講師の最後の言葉。
「ここにいるみんなが大人になったとき、
どうしてこんなものを売ってるのか、という気持ちをもちつづけ
国や政府に、売らないようにって働きかけたら、
いつか、きっとタバコはなくなると思うよ」
子どもたちの未来のために、
喫煙予防の大切さを改めて感じる、このごろです。
第5回「子どもに無煙環境を!」キャンペーンポスターより。