昨日の続きです
新薬師寺の北側に不空院があります
真言律宗の寺院。山号は春日山。本尊は不空羂索菩薩(国指定重要文化財、鎌倉時代の作)。大和北部八十八所霊場第七十七番札所。
由緒書によれば、創建時期は不詳ながら、弘仁年間(810年~824年)と推察されている。『大乗院寺社雑事記』によれば、奈良時代に鑑真上人がこの地に住居を構えたことが記されている。また、平安時代の弘仁年間に弘法大師空海が興福寺南円堂建立の試みとして、鑑真上人の住居跡に雛形の八角円堂の建立を提案して願文を書いたと伝わり、これが創建の始まりとされる。
鎌倉時代に至り、不空院の円晴上人、西大寺の叡尊上人、唐招提寺の覚盛、西方院の有厳が不空院で戒律を講じて、多くの衆生に戒を授けたと云われる。その頃には八角円堂を中心に鎮守社や僧坊等、複数の堂宇を有する大寺として栄え、特に鎮守社の弁財天信仰は盛んで「不空」を転じて「福院」とも呼ばれて、後に縁結び・縁切りの駆け込み寺としての役割も果たしたことから女人救済の寺院としても知られるようになったと云う。
しかし、江戸時代の嘉永7年(1854年)に起きた安政大地震で、八角円堂を含むほぼ全ての堂宇が倒壊する被害を被ったが、本尊は無事であった。その後も再建を果たすことが出来ず、明治時代の廃仏毀釈で無住の状態が続き、大正時代に至って、橿原の久米寺から三谷弘厳上人が入寺し、八角円堂の礎石の真上に現在の本堂を建立し、境内を整備して現在に至る。
所蔵する不空羂索菩薩は国指定重要文化財に指定されています。
中を見るには拝観料を払う必要があります
今回、御朱印を頂きませんでしたが、数種類あるようです
その他、左側に庫裡があり、境内は狭いですが、駐車場は少し離れた北側にあります
この後、西のほうへ向かいました