コロナ前からの上田ゆきこの提案がコロナ対策に役立ちました | 上田ゆきこのブログ

コロナ前からの上田ゆきこの提案がコロナ対策に役立ちました

2020年に新型コロナウイルス感染症が流行するとわかっていたわけではありませんが、議員として、感染症対策の必要性を認識し、対策を提案してきました。

 

感染症対策に関する提案が他の議員よりコロナ前から多かったのは、1990年のNHKの朝ドラ「凛凛と」で受けた感染症についての強烈な恐怖がきっかけだと思います。

 

このドラマは朝の連続テレビ小説史上初めて30%台を割り込んだ番組だそうで、見てない方も多いかもしれませんが、富山県が舞台になった最初で最後の朝ドラであり、富山県においては局地的な視聴率があったのです。実は小学校の給食の時間に見ていたくらい、富山では大ブームでした。

 

その「凛凛と」の主人公の母親がスペイン風邪に罹り亡くなります。ずっとゴホゴホとせき込みながら臥せっているのに、心配かけまいと無理をする姿は思い出すだけで今でも胸が締め付けられる気がします。

 

そんな感じで感染症への恐怖と関心がありつつ、高校2年生のとき「ペスト(A.カミュ)」という小説を読み、その読書感想文で全国学校図書館協議会長賞という賞を受賞しました。お恥ずかしいですが、総理大臣賞と文部科学大臣賞の次くらいの賞です。

 

「ペスト」を読んで、やはり健康な人が感染症に罹り、志半ばで倒れていくストーリーは衝撃的で、当時は都市封鎖という極限状況における人間のありようなどに注目して感想文を書いた気がしますが、

8年ほど前にインフルエンザに罹り3日間ほど外出禁止になった際に読み返したところ、それよりも街を抜け出そうとする人や感染防止に取り組まない町民などのシーンで「だめ~!」と本に向かって叫ぶくらい、公衆衛生の観点ばかり気になるのは職業病だと笑ってしまいました。

 

そのような心理になった経緯は、やはり、2009-2010年の新型インフルエンザ流行や2011年の東日本大震災等を経て、公衆衛生の重要性をより強く認識したことからだと思います。

 

特に、実践的な公衆衛生を区民の方と学ぶため、2014年には2回にわたり、感染症に注目した区政セミナーを行いました。医療政策の最前線で活躍する講師を迎え、「第6回 後悔しない予防接種・社会を守るワクチン」「第7回 新型インフルエンザ発生!どうする?どうなる?」を通じて、封じ込めやワクチン政策の重要性を理解したことは政策提案にもつながっています。

 

例えば、保健師の増員は、2018年度予算要望(コロナ前)から要望を続けています。

理由は、感染症対策だけではなく、出生数増によるネウボラの需要増、高齢者数増による福祉コーディネート能力の拡充、保育所の医療的ケア児やアレルギー児対応、地域防災等のためですが、おかげで2020年度に3名の保健師の増員が決定していたことで、コロナ初期の感染症対応にも貢献できました。

 

また、2019年11月定例議会には「抗インフルエンザ薬ゾフルーザの慎重な処方を求める意見書(案)」を提出しました。コロナのような新種のウイルスを想定したわけではありませんでしたが、耐性ウイルスなどによるパンデミック対策の必要性を訴えました。

 

さらに、2019年の選挙公約であった「教育用端末1人1台」は、感染症があっても学習機会を確保できるように、という理由で提案していたわけではありませんが、区内モデル校など様々な方のご意見を聞きながら必要性を訴えてきました。結果的に、新型コロナウイルス感染症による休校等を通じて国の支援も決まり、GIGAスクール構想が進展しました。早めに1人1台の試算や課題を聞いておいたことがスムーズな実施につながったと思います。

ちなみに、文京区議会で教育用端末1人1台をコロナ前に提唱していたのは上田ゆきこだけです。

 

これからも、議会活動を通じて学んだ知見を活かし、平常時も非常時にしっかり備えられる文京区政に貢献していきたいと思います。