1、新型コロナウイルス感染拡大防止のための、保健所の取り組みについて(令和3年9月本会議) | 上田ゆきこのブログ

1、新型コロナウイルス感染拡大防止のための、保健所の取り組みについて(令和3年9月本会議)

保健所の体制見直しによる効果等について

 

Q:文京保健所は体制を見直し、積極的な疫学調査よりも感染者の患者の方への医療提供活動等を優先する方針を打ち出した。優先順位の根拠、体制見直しにより保健所資源がどう効率的に運用されると期待されるのか。
 

A:医療提供体制がひっ迫した状況下での保健所の最優先業務は、入院できない重症者の人命救助であることから、都の通知を踏まえ、8月20日に保健所の体制を見直し、感染経路を特定する積極的疫学調査より、重症者の病状や重症化リスク等を把握し、適切な医療につなげる医療提供活動等を、優先的に行うこととした。

現在、区民の命を守るため、重症者の急変を早期に感知した入院調整や、在宅療養者への酸素濃縮器の提供など、感染者の治療開始に向けた支援を、昼夜を問わず行っており、引き続き、新型コロナウイルス感染症に全力で対応していく。

 


Q:集団感染が起きる可能性のある施設は今後も調査を行うことなど、もう少し詳しい情報を区民に発信することで心配の気持ちが軽減できるはず。体制見直しの効果と目的と手段の科学的根拠について詳しい説明を求める。

 

A:感染拡大しやすい施設等で陽性者が発生した際は、現在も積極的疫学調査を行い、感染拡大の防止に努めている。

このような情報については、議員ご指摘のとおり、区民の不安の軽減につなげるため、ホームページの掲載内容を随時見直すとともに、自宅療養者の人数等を、適切な頻度で更新することで、より分かりやすい情報発信に努めていく。

 

 

感染者の療養状況について

 

Q:自宅療養者が増えていることへの区民の懸念に応えるため、文京保健所は区ホームページにおいて、療養状況の情報掲載を始めたが、更新の頻度が疎らで、一番の拡大期に推移がわからなかった。保健所として、現状の区内の感染者の療養状況をどう分析しているか。

 

A:本年7月末からの第5波により、区内の入院・宿泊療養待機者や、自宅療養中の陽性者数は大幅に増加しているが、毎日の健康観察と医療機関からの情報提供等をもとに、国の手引きに従い、病状に応じた療養方針を適切にアセスメントすることができている。

感染者数が大幅に増加する中でも、保健所の体制の見直し等により、患者へ寄り添った適切な対応ができていると認識している。

 

入院調整ができる病床の確保について

 

Q:自宅療養者の精神的な支えとなるのは、バックアップ病院の確保。都も病床の確保に取り組んでいる。連携し、自宅療養者の急変に対応し素早い入院調整ができる病床の確保を求める。状況を伺う。

 

A:都の通知により、救命救急センターを有する大学病院等の医療機関への入院調整は、都の入院調整本部で一元的に実施することとされている。

入院調整及び病床の確保は、広域的な視点から、都により実施されますが、保健所では、病状の変化を素早く察知し、迅速な入院調整につなげるため、陽性者の毎日の健康観察を行っている。

引き続き、都の入院調整本部と緊密に連携し、速やかな入院調整に努めていく。

 

 

区内医療機関と協力した優先病床の確保について

 

Q:墨田区では、妊婦を含めた子どもや透析患者などの入院先が見つかりにくいコロナ患者のための病床を区独自で確保しようとしている。都内は感染者数が多く、医療資源が逼迫しがちなので、墨田区のように区民の命を守るため文京区も区内病院と協力し、優先病床確保に向けて動いていただきたい。

 

A:大学病院等の医療機関への入院調整は、都の入院調整本部で一元的に実施することとされている。

本区には医療機関が集中しているが、都内全域から重症化リスクの高い患者を受け入れている大学病院等が多く、一般病院が少ないという地域特性があるため、本区が独自に優先病床を確保することは困難であると考えている。

引き続き、広域調整を行う都や、区内医療機関と連携し、区としての役割を果たしていく。

 

 

ワクチンの確保等について

 

Q:ワクチンについては、概ね11月中旬頃の区民8割接種完了を見込んでいる。

しかし、モデルナ社製ワクチンの異物混入による一部使用見合わせにより、見込んでいた職域接種が遅れるのではと懸念されている。加えて、自治体でのファイザー社製ワクチンの接種を希望する区民が増えることも想定され、その場合、さらなるワクチン確保や接種体制も追加調整が必要になるのでは。現時点での見通しを伺う。

 

A:既存の集団接種及び個別接種に加え、企業等の職域接種に区民枠を設定するなど、ワクチンの確保や接種体制の強化を図っている。

また、本区では、これまでファイザー社製のワクチンを使用していたが、モデルナ社製のワクチンを使用する接種会場の開設準備を進めており、明日から、予約を開始する。

さらに、若い世代の接種機会を拡充するため、12歳から18歳までの区民を対象とした接種会場を確保し、こちらの会場についても、明日から、予約を開始する。

ワクチンの確保や接種機会の拡充により、区でのワクチン接種を希望する方が、速やかに接種を受けられるよう、引き続き、様々な手法を検討していく。

なお、接種会場では、接種液への異物混入の有無の確認等、接種における安全管理を徹底している。

 

職域接種を受けた区民の状況について

 

Q:既にどのくらいの区民の方が職域接種で2回接種を完了されているか、把握状況を伺う。

 

A:接種状況は、国のワクチン接種記録システムにより管理されているが、職域接種会場によっては、接種から当該システムへの接種記録の入力に時間を要することから、正確な数値を確認することはできない。

 

専門委員の知見を活かした情報発信について

 

Q:ワクチンを接種する・しない、いずれにしても、個人の自己決定を尊重しサポートするために、区の専門委員の知見を活かし、区としてワクチンに関する情報、メリット・デメリット、コロナワクチンのしくみなどを、改めてよりわかりやすく、科学的根拠をもって専門委員の言葉で発信してはどうか。

 

A:昨年7月、感染制御科学が専門である順天堂大学大学院の(ほり)(さとし)先生に、本区の専門委員にご就任いただき、新型コロナウイルス感染症に関する様々な提言をいただいている。

本年1月には、緊急事態宣言の発令を受け、CATVにより、感染拡大防止に向けたメッセージを発信したほか、7月には、私との対談番組にご出演いただき、ワクチン接種や感染予防策等について、丁寧にご説明いただいた。

今後とも、専門委員からいただいた提言等を活かし、新型コロナウイルス感染症に関する情報を、区民の皆様へ分かりやすく発信していく。