平成29年度予算審査特別委員会総括質問(上田) | 上田ゆきこのブログ

平成29年度予算審査特別委員会総括質問(上田)

3月8日の予算委員会での総括質問です。
GW中にそれぞれの部長の答弁と合わせて、Q&Aの形に編集します。
暫定的に本文全体を掲載しますので、お読みください。

 

平成29年度予算審査特別委員会にあたりぶんきょう未来を代表して総括質問を行います。

この予算は基本構想実施計画の着実な取り組みとなるよう編成され、その結果として、29年度一般会計予算は約895億円、文京区史上最大規模となりました。

 

まず初めに、この予算規模の適正性について伺います。

昨年度比8.5%、約70億円増の一般会計の算定根拠は人口増による収入と需要の伸びによるものと思われ、実際に昨年1月の文京区人口総数は21万312人、今年1月の総数は21万3969人と1年で3,657人増えています。区民1人あたりの予算として比較すると、28年度は39万2217円、29年度は41万8444円となり、人口増加分以上に1人あたりの予算も26,227円増えていることがわかります。ちなみに10年前の平成20年から比較すると、人口は2万8187人、予算総額は257億600万円、そして一人あたり予算額は74,880円増えています。必要な行政サービスが拡充され、区民生活が改善するのはいいのですが、多くの区民に区政運営に協力してもらうためには、その変化を分析し、見える化する必要があるのではないでしょうか。また、放漫財政ではないかという問いに反論できるよう、どうチェックしているのか伺います。

 

次に、歳入について伺います。

区民税は昨年度比4.8%、14億7900万円増と収入増の大きな要因にもなっています。今後の区民税を見通す意味でも人口構成を分析することは有効です。もちろん実際にはばらつきがあるのは承知の上ですが、流入人口に関してはマーケティングでいうところのペルソナ=象徴的な区民モデルを設定することが、収入見込みやニーズへの迅速な対応に効果的ではないでしょうか。また、税金の使われ方に対する区民の啓発のためにも、「文京区が100人の村だったら」という仮定で全体像の把握を行い、区民へのヴィジュアルによる説明に利用してはどうかと考えますがいかがでしょうか。

 

地方消費税交付金は、2億円の減となっています。これは、インターネット販売等による税収を事業者の所在地のデータから除外して清算基準を決定するという変更によるもので、都市部より地方に多く分配する仕組みになっています。ふるさと納税や法人住民税の一部国税化等これまでも東京狙い撃ちの税制改正が乱発されており、毎年大きな負の影響が出ています。これでは総務省のいう“地方分権の基盤となる地方税の充実”とはなっていません。このようないびつな形での地方税の分配と地方間の財源の奪い合いを誘発するような税制改正に対し、どのように対決をしていくのか伺います。また、アピールによる世論形成を行っていくことも必要だと思いますがお考えをお聞かせください。

 

財政調整交付金は、法人住民税が減収見込みのため3億円の減を見込んでいます。特別交付金等の再算定についても都区財調全体が減っているためあまり見込めません。財調制度は財源の広域調整機能だけでなく財源確保機能でもあります。財調財源に不安がないよう都区配分の拡充についても改めて協議を重ねていただきたいと思い、伺います。

 

都支出金は、待機児童緊急対策等のために17億円の増を見込んでいます。小池知事に代わってからの都補助事業には、どのような傾向がありますか。また、復活予算廃止による影響はありますか。都予算で進めたいとしている無電柱化事業等の積極的な確保について、見込みと準備状況を伺います。

 

基金活用も含めて、実施計画3カ年の財源は確保されていることと思います。中長期的に財源調達のために基金をどう活用していくか、長期的視点での基金計画も必要と考えますが、どのような心づもりか伺います。

 

特別区債は、3年ぶりに8億円の起債が予定されています。平成27年度の公債費負担比率は2.2%なので大丈夫だと思いますが、後年度負担や世代間の公平性を考えると、どのような割合に調整していくのがいいとお考えでしょうか。また、今後の財源構成、区税・補助金の確保、基金活用、起債等のバランスをどうお考えか伺います。

 

3つめに、歳出について伺います。

性質別内訳では、特に、投資的経費が昨年度比57億円、56.4%も増えています。文京区のような人口増加地域はインフラの老朽化に対し、人口の増や昼間人口を考えると今後はより一層の更新と拡充が必要だと考えます。東京富裕論に反論するためにも投資的経費の便益を明示し、総合管理計画に盛り込むべきと思いますがいかがでしょうか。また財政の見える化にも総合管理計画を活用していってほしいですが、お考えを伺います。

 

扶助費も年々伸び続けています。昨年度比は5億2800万円増ですが、この10年では約100億円と2倍以上にも増えています。さらに目的別で見て、児童福祉費は、自主財源の割合も額も高いと感じます。この分権時代に、区民と窓口で直に接する自治体が、単独事業でニーズに応えるようとすることは多くあるでしょうし、文京区の取り組みも評価しています。一方で、国は、子どもと女性に関するナショナルミニマムを最初から不当に低く設定しているのではないかとさえ感じます。児童福祉費に占める単独事業や、保育料等国基準が現実的でなく自治体の方で上乗せ補助をしている金額の割合はどれくらいで、そのことをどう考えているかを伺います。保育料の低減にかかる費用等、確実に求められている行政サービス、施設型給付の基準等については、きちんと制度で担保してほしいと国に要請すべきではないか、伺います。区は昨年の組織改正によって子ども家庭部に窓口を一本化して利用者の利便性に応えていますが、業務に係る事務はまだ元の部署にあります。これは所管官庁が違うからですが、新制度がスタートしてからも依然として幼保三元化と揶揄される1府2省の3重行政が続いています。自治体が区民の利便性に合わせて窓口を統合しているのにバックオフィスが統合できないのは不合理です。すべての子どもが幼児教育を受けられ、多くの女性が子育てしながら働ける社会モデルに合わせ、場合によっては省庁再再編に関しても地方から声を上げていくべきではないでしょうか。

 

4つめに、組織改正について伺います。

平成33年度の児童相談所設置をめざして29年度から児童相談所準備担当課長を設置されますが当面は子ども家庭支援センター担当課長と兼務とお聞きしています。29年度に行う準備スケジュールと開設までのスケジュール、児相担当課長に期待したい役割を教えてください。32年度開設をめざす区もありますが開設時期等について他区とどのように情報交換を図っているか伺います。児相移管に向けて、広域的な連携対応、児童福祉司や児相所長、運営や整備に関わる財源、子ども家庭支援センターとの連携と役割分担、近隣住民への説明等の課題について、今のところどう考えているかお聞きします。

都市計画部は、都市計画課に開発担当を地域整備課に耐震不燃化担当を置かれるとのことですが、この組織改正もされることですし、部内各課が連携し紛争防止に努めてもらいたいです。そこで、これまでの紛争の事例に鑑み様々な視点から研究し、地域住民との話し合いの場を設定するなど、まちづくり条例策定にも取り組んでいただけませんか、伺います。

 

施設管理部は、保全技術課整備技術課が新設され、さらに公共施設の機能充実や維持管理の効率化等に取り組まれます。近年、区内公共施設のオープン後に不備が判明する等の事例が相次いでおり、施設の改築等にあたっては、設計工事、施工及び管理運営それぞれの段階で、多様な視点での点検体制がより厳しく求められています。組織体制を整備した上で、さらに区民から見える形で公共施設のチェックが行われる必要があります。特に、以前から会派として要望しております総合体育館については、外部委員を交えた検証委員会をつくって必要な改修を明らかにしてほしいと考えますが、お考えを伺います。また、福祉センターに続いて千駄木の郷でもB-ぐるが車両変更により車寄せに入らず道に停車しているため近隣住民から苦情が出ています。今後はB-ぐるで結ばれる可能性がある施設はB-ぐるがきちんと入るかどうかを必ずチェックすべきです。また車寄せ部分の改修で対応できないか、今一度考えていただけませんでしょうか。

 

教育機会確保法が昨年末成立しました。この法律は、不登校の子どもたちの教育機会の確保を目的したもので、自治体には学習支援施設を整備する努力義務などが定められています。区では28年度から大学連携による不登校解消プロジェクトがスタートしております。この成果を伺うとともに、29年度に法に基づいてさらに行う予定の取り組みがあれば教えてください。組織改正で総合相談担当も係となりました。合わせてどのような効果が期待できるか伺います。

オリンピックパラリンピックについても担当係が拡充されますが、2020に向けて、スポーツだけでなく文化事業やバリアフリー、多文化共生にも取り組んでいかなければなりません。区として広報等の多言語化の指針を整え、多文化共生のための協議体をつくることを考えてはどうでしょうか。またオープンソースを活用して多言語アプリの開発も研究して頂きたいと思います。施政方針でも「煩雑な行政手続きの簡素化」「IOTやAI」に言及されていますが、どのように検討されているのか伺います。

 

5つめに、新規・レベルアップ事業等について伺います。

主な増減額を見ると、新規事業と終了予定事業の予算はほぼ同額の約12億円になるよう努力しているようですが、レベルアップ分の19億円はそのまま増えているようです。このレベルアップによる増額分をどのように考えればいいのか、人口増への量の対応と考えるか、人口構成変化による質量両方のニーズによるものか、分析を伺います。

 

 文京区版地域包括ケアシステムの構築をめざす上で、29年度新規事業の介護施設ワークサポート事業による元気高齢者の発掘と介護人材不足の側面的サポート等に期待しています。さらに派遣事業や保育分野への拡大も検討されているとのことですが、ぜひその体制づくりを進めてほしく、展望を伺います。

 

待機児童対策の量的充実のために、子育て支援計画の見直しを1年ごとに行っていますが、潜在的保育ニーズをどう把握していくか改めて伺います。また、基本構想実施計画上の将来像は「地域の思いやりにあふれたおせっかいの輪の中で、みんなが楽しく育ちあえるまち」となっており、実際の事業との間にはだいぶ論理的飛躍があるように思います。きちんと大きな目標と事業をつなぐ中間アウトカムを設定することが必要ですが、どうされていますか。毎年の改定により毎年待機児童0をめざしているとのことですが、その目標がわかりやすく共有されているか伺います。

 

区立幼稚園のこども園化については、0歳児保育が私立頼みで区のビジョンが見えないとの声があります。施設整備の際はニーズ量を楽観的に見積もって費用を抑えようとするのではなく、ニーズ終息後のリノベーションも見据えて、余裕のある施設にすることが必要ではないかと考えますが、お考えを伺います。

 

0・1・2歳児保育の内容も追加して文京区版幼児教育・保育カリキュラムを改定されますが、区立園だけでなく、私立ややむを得ず家庭保育をされている方、認可外施設にもお配りし文京区のすべての子どもたちが文の京スタンダードの幼児教育にアクセスできるようにすべきだと思います。わかりやすい紙面と、啓発配布に十分な予算を組み、さらに他の子育て支援にもアクセスしやすいようQRコード等でリンクしてほしいと考えますが、いかがでしょうか。

 

認可外保育施設保護者負担金助成が始まります。少なくとも区内の認可外施設は東京都の認証を全ての園にもらうように要請を強めてください。また、この助成制度を通して認可外保育施設の実態が区からもよくわかるような仕組みをつくってほしいと考えます。保護者負担への助成という趣旨を達成するのが目的であれば、保護者間に格差が出るような事態が続く場合、単独事業で補助することも必要になります。また都が認証できない園がもし区内にあるなら区が指導できるようにすべきです。今年度は約200人分の予算を見積もっていますが、仮に東京都の認証が進んでいき、補正予算があるとすれば最大どのくらいと考えるかお聞きします。

 

6つめに、特別会計について伺います。

国民健康保険特別会計については、被保険者が減少しているにもかかわらず、保険料も給付も伸びています。それは高額療養費の伸びも要因の一つと考えられますが、国保の保険料は限界に達しており、医療機関に対し医療の適正化を保険者として要請することが求められています。平成30年度からは東京都もともに国保保険者となる予定で、システム改修等の準備経費が計上されていますが、区と都がともに保険者となり、広域化するメリットを伺います。地域医療供給のあり方についても、糖尿病性腎症の重症化予防等、保険者機能の強化してもらいたいですが、どのように取り組むか伺います。これまでも特別会計に一般財源からの投入があったので広域化によって国保会計への補てんが増えないか心配されますが、いつ頃、保険料の見込みが立つのか伺います。さらに、滞納者等への対応はどうなるのか伺います。

 

介護保険特別会計については、これまでの介護予防に関する取り組みの効果を伺います。また、今後はより効果的な介護予防事業を行うために、費用対効果を踏まえた検討を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。区地域福祉保健計画は地域福祉推進協議会による進行管理が行われていますがPDCAサイクルのCとAがわかりにくいです。より見える化して頂けないか伺います。

 

ミドルシニア世代の介護ニーズについては、社会学的世代論的アプローチでも分析を行い長期ビジョンを持つべきと考えますが、いかがでしょうか。

先月、平成30年度から施行予定の介護保険改正法案が閣議決定されました。制度改正の度に「現場の声が反映されていない」との声を区内でもよく聞きます。自治体や事業者が主体的に地域包括ケアシステムのあるべき姿、できること、無駄なことを議論して国に上げていけるよう工夫すべきです。伺います。

 

最後に、

「文の京」は強いブランド力のあるキャッチコピーで私は大好きなのですが、漢字だと、ぶんのきょう/ぶんのみやこ/ふみのきょう/とよく言い間違われ、そのたびに訂正しなければなりません。文の京を冠する事業を増やす等、耳から知る機会を増やすことと、また今の筆文字のロゴもとてもすてきですが、「ふみのみやこ」「フミノミヤコ」のようにひらがなやカタカナの表記をサブで使い分けることで音を定着させることを検討してはどうでしょうか、伺います。